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デイブがTwitterでチャーリー・ワッツを追悼

ひどくショックを受けている。

チャーリー・ワッツは素晴らしい男だった。彼の喪失がとても惜しまれる。

彼の奥さん、バンド仲間、全ての彼の家族と友人たちに心からお悔やみを申し上げます。


ずっと以前、たびたびデヴォンに行っていた頃に、電車で何度か会ったことがある。
彼は偉大なドラマーであり、すごい男だった。

残念だよチャーリー。 


デイブ・デイヴィスのTwitterより

https://twitter.com/davedavieskinks



| Something Else | 18:28 | comments(2) | - | pookmark |
Happy Birthday Mr.Ray Davies


今でも僕は、あなたの歌に救われています。

あなたの健康と、衰えることのない想像力を祝福しつつ。
| Something Else | 19:59 | comments(15) | trackbacks(0) | pookmark |
Do It Again


 どこから手をつけていいやら
 呆然として
 訳も分からないまま
 来し方行く末を見失っている

 初心に帰ろう
 また一巡りするんだ
 毎日毎日目覚めてはこう言う
 もう一度やり直そうぜと 

 みんなどこに行こうとしてる?
 行き場を求めて堂々巡りだ
 何度何度も繰り返す
 起き上がり、外に出て
 もう一度やり直すんだ

 初心に帰ろう
 また一巡りするんだ
 毎日毎日目覚めてはこう言う
 もう一度やり直そうぜ

 今日こそはいい日になると君は思う
 世界は変わり もう一度やり直せる
 すべてをチャラにして
 一から全部やり直す
 君はそう出来ると言うが
 それがいつかは分からない

 初心に帰ろう
 また一巡りするんだ
 毎日毎日目覚めてはこう言う
 もう一度やり直そうぜ 

 時は過ぎて
 君は別の人生を歩みたかったと思う
 いつもと違う友達
 新しい服
 君は手直しをしてポーズを決めてみる
 新しい家 新しい車 新しい仕事
 目新しいことを探し回る 

 だけどそれは上っ面だけ
 寝てる間もあの声が叫び続ける
 戻って来い 戻って来るんだと 

 初心に帰って
 さあ、やり直そうぜ
 初心に帰って
 そいつをもう一度始めるんだ

 初心に帰って
 さあ、やり直そうぜ
 毎日毎日目覚めてはこう言う
 もう一度やり直すんだと
 毎日毎日目覚めてはこう言う
 そいつをもう一度始めるんだ


デビュー50周年の2014年を迎えて、いよいよキンクス・リユニオンが盛り上がりを見せていますね。

最新のUncut誌などは、表紙にディヴィス兄弟の写真をアップで掲載しながら、「KINKS REUNIOND?」と、いかにも思わせぶりな特集を組んでいて、それで、これがひとつのきっかけとなって、各国のキンクスファンは、あたかも再始動が、今や目前に迫っているかのように、色めき立っているのであります。

加えて、そんなところに持って来て、デイヴ先生も、自身のFacebookで「僕と彼女は、レイと彼のガールフレンドと一緒に、ベジタリアンカレーで楽しい時を過ごしたよ。それは2014年の素晴らしい幕開けになった」なんてことを言い出したものだから、それにますます拍車をかけてしまったのです。

ところで、僕は気付いてしまったのだけれども、キンクスというのは1984年以降、なぜか10年の節目ごとに、何らかの事件に遭遇するバンドなのでありますね。

と言うのはすなわち、1984年のミック・エイヴォリー脱退。
10年後の94年は(今のところ)最後のスタジオ・アルバム『Phobia』リリース。
その更に10年後の2004年には、デイヴの脳梗塞発症。

それに、改めて言えば、彼らのデビューは1964年だったわけで、だから、キンクスは末尾に「4」の付く年が来るごとに、何らかの歴史の転換を図ってきたのです。
(ただ、このデビューを除けば、他はみなマイナスな事件ばかりなのが気にはなりますが、それはともかく…)

ともかく、今年は2014年。
となれば、これはキンクスからの、再始動を含む、何らかのアクションを期待せざるを得ないですよね!

さあそれでは、この際、今年キンクスの復活が決定したと仮定しちゃいましょう。
じゃあそれは、一体どんな形でやって来るのでしょうか?

これについては、みんなあんまりイメージにしてないようなので、ここでちょっと言っておくけれども、僕としては、こちらの記事がそのヒントになるんじゃないかと考えています。

記事の中に、ABCラジオによるレイ先生へのインタビュー部分があって、その内容を引用させてもらうと…

「僕は彼の声のために、それから彼のギターサウンドのために曲を書くのが好きなんだ。だから、今後Americanaのサウンドトラックを作るとしたら、デイヴにプレイして欲しい、いくつかのトラックを用意する。僕たちはそこから始めて、それが上手く行くかを見極めたいと思ってるんだ」

つまり、レイ先生の構想としては、いきなりキンクスを復活させるのではなく、まずは自分のプロジェクトにデイヴを引っ張り込んで、そこから徐々にキンクスにまで持って行こうとしているようなのです。

そのきっかけがAmericanaだという。
なるほどそう考えれば、昨年レイ先生が音楽そっちのけで、あの本のプロモーションにかかりっきりになった訳も、理解できるというものです。

ただ、あの負けん気のデイヴ先生が、嫌な兄貴のソロになんか手を貸すかどうかは疑わしいですが(Return To Waterlooの時は結局参加しなかったし)、でも、これはちょっと実現して欲しいなあ。
そして、それが次のキンクスに繋がって行くというね。

いや、まあ、今年は「ローラ」のデラックスや「ショービズ」のカーネギー・ライブ完全版などの噂もあって、その宣伝用に、いつものレイ先生のリップサービスが、今回も炸裂しているだけかもしれない。
過剰な期待は禁物ではあります。

だけど、それを割り引いても、2014年のキンクスには、きっと何かが起こるはず。

アニバーサリーイヤーは、まだ始まったばかりです。


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| Something Else | 10:29 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
2013年を振り返る


毎度お馴染み、年末の振り返り記事であります。

昨年は、ロンドンオリンピックや、レイ先生の来日のような、日本にいても実感できる、派手なニュースの多い年でしたが、今年はどんな年だったでしょうか。

実は、あのオリンピックの閉会式以降、昨年の秋くらいから、キンクス関連の話題というのは、非常に乏しくなっておりまして、うちのブログとしても、今年2月中旬あたりまでは、ネタに困って青息吐息の状態でした。

そんなところに、ようやく2月の末になって入って来たのが、「Lola」と「Muswell Hillbillies」のデラックス・エディション発売のニュース。
ただ、これは当時はまだまだ未確認情報で、ネタとしてはちょっと小粒でしたね。
実際「Lola」は未だにリリースされていないみたいですし。

ところがそんな中、3月末に飛び込んで来たのが、正真正銘のビッグニュース。デイヴ・ディヴィスのステージ復帰情報。
続いて4月には、ニューアルバムのリリース情報も出て、うちでもこの時期、デイヴの話題が一気に満載になりました。

なにしろ、2004年6月に脳梗塞で倒れて以来、デイヴの健康不安は、まる9年もの間ずっとささやかれていたうえに、2010年には一旦アナウンスされたアメリカツアーが、ドクターストップで中止になるという前例もあったりで、だから今年の彼の復帰劇というのは、ファンにとっては、これはもう大変な朗報だったわけです。
だって、キンクスが再始動するための、最大の障害が消え去ったということですからね。

だから、5月の末から実際にツアーが開始され、同時にニューアルバム「I Will Be Me」がリリースされるに及んで、この時期、僕もちょっとしつこいくらいにデイヴの話題を書いてしまったのでした。

そのようにデイヴが活躍する一方で、昨年までキンクスの話題の中心だったレイ先生は、上半期ほとんど沈黙しています。

例年行っていた、英米を回るソロツアーも、今年はやらなかったみたいだし、ステージといえばいくつかのフェスへの出演のみ。
個人的には、これは復活したデイヴの引き立て役に回る作戦なのか、と勘ぐったりしましたが、とにかくレイ先生はおとなしかった。

今年の先生の話題といえば、10月に上梓された、著書のAmericanaのみでありまして、この前後は本のプロモーションにかかりっきり。音楽家としてのレイ・ディヴィスは本当に影の薄い印象でしたね。


さて、そうした個人個人の活動とはまた別に、今年もまた盛り上がりを見せたのが、毎年恒例の再結成トークでした。

ただ、毎年恒例と言っては確かにそうなんだけれども、今回のはやはり来年がキンクスデビュー50周年ということで、例年よりもやや真実味がありました。

というのも、こういう話は、普通はレイが口火を切って、来週にはデイヴと会うだの、デイヴ抜きでツアーに出るだのと、マスコミを散々煽った挙句、最後にはデイヴに、そんな話は全く聞いてない、とか言われて終わるのが通例なのですが、今年のはどうも様子が違っていたのです。

6月頃に行われたインタビューでは、再結成は全く分からないと答えていたデイヴが、9月になると唐突に、夏の間にレイと今後に向けての話し合いをした。キンクス再編の可能性は50/50であり得ると発言します。

その後、10月にはレイ先生もBBCのニュース番組に出演して、これを裏付けるかのように、二人で新しいものを作ろうと話してる、的な内容の発言。

更にはデイヴからの、レイと打ち合わせた通り、(キンクス再編に向けて)いま曲を書いているところだ、といった発言。

こうした一連の話題は、デイヴの口から「12月に二人で会う」という方向性だけが示されたまま、現在そこでストップしている状態ですが、もしもその話が進んでいるとしたら、今頃には既に会談は終わっているはず。

泣いても笑っても、あと数日でやって来るアニバーサリー・イヤー。
なんか、海外のサイトとか、キンクス関連のフォーラムなどでは、来年の活動再開は、既に規定路線みたいになっている感じなんですが、果たしてディヴィス兄弟は、どんな結論を出したのか、しばらくはその行方に注目ですね。

ただ、因みに申し上げておきますが、レイ先生に関しては、来年3月から「Americana Storyteller shows」と銘打った、朗読と歌と映像からなるステージの、、小規模なツアーを行うようで、だから、年明けからいきなりキンクス再開というような心算は、今のところなさそうです。


というわけで、今年も一年、キンクス日和にお付き合いいただき、ありがとうございました。

また来年もキンクスのニュースと、あと可能であれば、暇を見つけてPreservationアクト2の全曲訳にも取り組んでみたいと思っておりますので、たまには覗きに来てやってください。

それでは、皆さん良いお年を!


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| Something Else | 00:40 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Walk on the hopeful side
あれほど頽廃的でグジャグジャの、どうしようもない人生を歌っていた人なのに、彼の音楽を聴くと、なぜか不思議と前向きになれる気がした。

Lou Reed氏のご冥福をお祈りします。



彼の死に対するキンクスからのオフィシャル・メッセージはこちら
レイ・デイヴィスからの弔辞はこちら
| Something Else | 20:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2014年キンクス再編は幻に終わるかも知れないという一考察


9月末にデイヴ・デイヴィスが、RollingStoneのウェブサイトでリユニオンを匂わせたり、10月3日にはレイ・デイヴィスがBBCの番組に出て、これを条件付きで肯定したりと、いまやキンクス周辺は再始動に向けて、本格的に兄弟の意向を調整中という感じがしないでもない。

しかしながら、こうした流れに水を差すようでスミマセンが、僕としてはそうそう安易にキンクス再編には至らないであろうという、そういう展望を持っておりますので、今回はそのことについて、その根拠をご披露申し上げたいと思います。


ところで、その前にちょっとした疑問なのですけれども、キンクスの再始動を待望する皆さんというのは、一体どんな形でのリユニオンを期待しているのでしょうか?

ひとつには、例えばフーが、ピートとロジャーだけで「The Who」を名乗っているように、キンクスもレイとデイヴだけがいれば良いのであって、他のメンバーはエキストラでもOK派。

いやいや、デイヴィス兄弟だけでは片手落ちであって、ピート・クエイフが亡くなってしまった今となっては完全オリジナルは望めないけれども、まだミック・エイヴォリーはいるのだから、せめて彼を加えた3人でキンクスを名乗ってくれなきゃイヤーン派。

大きく分ければ、このふたつが主流でしょうか。

そこに、ジョン・ダルトン加えろ派とか、ジョン・ゴスリングだっているだろ派とか、ドラマーはボブ・ヘンリットでいいや派とか…
…果たしてそういう人達がいるのかどうか、そんなことは僕は知らないけれども、それでも色々なキンクス・フォーラムの書き込みなどを見る限りでは、オリジナル3人での再始動を望む声が多いような気がします。

さあ、そこで
そんな皆さんに悲報です。

ミック・エイヴォリーはKast Off Kinksで忙しすぎて、キンクスのリユニオンに参加している暇なんかありません。

Dave Emlenさんがやってる“Unofficial Kinks Web Site”の中の「Kinks/Ray/Dave Tour Dates」ページを見ていただくと分かるけれども、Kast Off Kinksは現在、3〜4日に一回のペースでギグをこなしていて、これから先のスケジュールも

12月6日〜2月8日 2013=2014 Winter gigs
3月 6日〜6月8日 2014 Spring gigs

つまり、2014年の上半期は、ツアーが既にぎっしり。
そして8月17日と10月12日にも、早くもステージのオファーが入っている。
と、こういう状態。

確かに6月9日から8月16日までは2ヶ月空くし、8月18日から10月11日もおよそ2ヶ月。
だから、この空白を利用してキンクスのツアーは可能だけれど、しかし18年あまりも活動していなかったロック・レジェンドのリユニオン・ツアーが、そんな片手間みたいなスケジュールでお手軽に決行されるというのでは、ファンとしてはあまりに悲しいじゃありませんか。
当然、リハーサルの期間だっているでしょうからね。普通はね。

それと、ついでに言っておくと、Kast Off Kinksでミックがダメということは、ジョン・ダルトン他の旧メンバーも、ほとんどがダメというわけで、ゴスリング派、ヘンリット派、ロッドフォード派にギボンズ派、すべて全滅を意味します。

つまりそういうことでありまして、これが僕がキンクス再編に、イマイチ希望を持てない理由です。

もちろんデイヴィス兄弟だけで再始動は十分可能だし、それで満足するファンも沢山いるのでしょうが、僕なんかはこれではちょっと納得できないなあ。

まさかここに来て、エイヴォリー師匠に足元をすくわれるとは、思ってもみませんでしたよ。


※ちなみに、Kast Off Kinksの8月17日のステージは「The Kinks 50th Anniversary (You Really Got Me) with The Kast Off Kinks」と銘打たれ、過去にKast Off Kinksでプレイしたことのある、すべてのメンバーが一堂に会するという、特別なイベントになる模様です。
ここにデイヴィス兄弟が合流して、そこから何がしかの発展がないものかと、かすかな期待は持っております。


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| Something Else | 21:09 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
レイ・デイヴィスの「リボルバー」辛口批評
1966年8月発行のDisc and Music Echo Magazine誌に載った、レイ先生の『Revolver』レビューが、Dangerous Mindsというサイトに掲載されているので、早速その解説部分を訳してみました。

■■以下Dangerous Mindsより引用■■

Taxman
ザ・フーとバットマンの中間って感じ。少し独創性に欠けるけど、ビートルズはセクシーなオーバーダブで、これを乗り切っている。オーバーダブがヴォイス・サウンドをこれだけセクシーにするというのは驚きだ。

Eleanor Rigby
僕はこの前ハイドンのLPを買ったけど、これはちょうどそんな感じの曲。ちょっとした四重唱なんだが、まるで小学校の先生を喜ばそうとしているみたいに聴こえる。ジョンが「オールドミスの先生のための曲だ」なんて言ってる姿が目に浮かぶ。それでもこれは実に商業的だけどね。

I'm Only Sleeping
最高に美しい曲。「エリナー・リグビー」なんかよりも断然こっちの方が素敵。古き良きものっていうのかな。明らかにアルバム中のベスト・トラック。

Love You Too
ジョージが書いた。彼は、今やグループの中で、凄い影響力を持つようになってきている。これは僕が2年前に書いていたような類の曲で、その僕はいま、ビートルズが2年前にやっていたようなことやっている。悪い曲ではなく、上手く演奏された曲であり、いずれにしても、それはいつものビートルズ調ということ。

Here There and Everywhere
これはビートルズが良い引き出しをいっぱい持ってることを証明する曲。色んなコードが目まぐるしく登場する。素晴らしいのは、声とギターが、ひとつの楽器のように融合していることだ。アルバムで3番目によく出来た曲。

Yellow Submarine
クソみたいな曲。マジで。僕自身もピアノでもってこんな風にふざけることがある。これがろくな曲じゃないってことくらい、彼らにも分かってると思う。

She Said She Said
昔の大胆なビートルズ・サウンドへの回帰。それが全て。

Good Day Sunshine
偉大な曲だ。決して押しつけがましくないのに、「I'm Only Sleeping」並みに目立っている。これが昔の、ビートルズ本来の音。僕はエレクトリック楽器が好きじゃない。もともとビートルズは、こういう普通の男子よりちょっとましっていう感じの路線だった。

And Your Bird Can Sing
これ嫌い。あまりにも意外性がない。全然ビートルズの曲らしくない。

Dr. Robert
これは良い。12小節のビートで、一つひとつの小節が実に巧妙。ただ、僕の好みではないけど。

I Want To Tell You
ビートルズの標準以下だけど、この曲がアルバムのつなぎの役目を果たしている。

Got To Get You Into My Life
伴奏はジャズ。そして、これが英国のジャズメンはスウィングが出来ないことを証明している。ポールは、ミュージシャン達がプレイするジャズよりも上手く歌っており、このことがジャズとポップは全然別物だという一般論を無意味なものにしている。ポールはリトル・リチャードのよう。事実、これがアルバムの中で一番古いトラックだ。

Tomorrow Never Knows
このクレイジーな音を聴いてくれ!ディスコで流行るに違いない。これを演ってる時に、奴らがジョージ・マーティンをトーテムポールに縛り付けていたことは想像に難くない。

総評
ビートルズのLPを全部通して聴いたのはこれが初めてだけど、良い曲が入ってるのは『Rubber Soul』の方だと言わざるを得ない。
「I'm Only Sleeping」が傑出している。「Good Day Sunshine」がその次。それと「Here, There and Everywhere」も好き。でも、それ以外についての厳しいことは言いたくない。
バランスとレコーディング・テクニックは、これまでになく良いものになってはいる。

■■引用ここまで■■


ビートルズの『Revolver』がイギリスでリリースされたのは、1966年8月5日。
レイ先生はその直後にこのレビューを書いているわけですから、ということは、彼はこの時、22歳になりたてのほんの若造であって、そういう若気の至りというか、小生意気な発言が目につきます。

もっとも、考えてみれば、キンクスだってこの当時には、7月に「Sunny Afternoon」をチャートの1位に送りこんだりして、人気の面でも売上的にも、まだまだビートルズのライバルグループであったわけで、だからそういう立場からは、ここでそのライバルを大絶賛というわけには、当然ながらいかなかったのかも知れませんね。

ただ、貶すところは貶しながらも、認めるところはきちんと認めていたりして、恐らくこの当時、クソ生意気で鼻持ちならない小僧だったであろう若かりし頃のレイ先生にしては、意外やまともなレビューになっているなという感じはします。

全体を聴き終わった後に、やっぱり『Rubber Soul』の方が良い、と言ってしまう先生ですが、でもこのレビューが紹介されているDangerous Mindsサイトを、下のコメント欄まで読んで行くと
“レイは何年か前ラジオに出て「Tomorrow Never Knows」をかけながら、『Revolver』はビートルズのベストアルバムと言っていた”
という書き込みがあったりして笑えます。
まあ、当時と今とでは、ビートルズとキンクスの置かれた立場も異なりますからね。聴こえてくる音も自ずから異なるのでしょう。

さて、肝心の曲目解説ですけれども…
「I'm Only Sleeping」を大絶賛というのは、これはちょっとどうなんでしょうね? 今となって、このアルバムにおけるこの曲を、これほどまでに持ち上げる評論家がいるでしょうか?
やはり先生は、後に「お昼寝ソング」の大家となられる方だけに、この曲の「俺はただ寝ていたいだけ」という内容に、ある種のシンパシーを感じたのかも知れません。
逆に「Yellow Submarine」のコテンパンぶりというのも、これはあまりに一刀両断過ぎやしないかという気はします。
あと「Tomorrow Never Knows」の、あの斬新なサウンドにも、何とも淡白なコメントしか残していないのが意外であります。

それと「For No One」は、これが評論されてないのはどうしたことか。
論ずるにも値しないとでも思ったか、或いは単に忘れただけなのか、まあ恐らく後者だとは思いますが、これは個人的に大好きな曲なので、是非ともレイ先生の評価を聞いてみたかったところです。


 
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| Something Else | 22:10 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
お日様とぶどうパン


秋分の日を過ぎて、空にうろこ雲が広がり始めたら、そろそろ「Autumn Almanac」を聴いて、気持ちを秋モードに切り替えなければなるまい。
そして、その次に『Something Else』の全編を聴いて、来るべき冬に備えなければなるまい。
なぜなら、それが僕の秋の歳時記だから、ラララ…

というわけで、このほどその手始めとなる、毎年恒例「Autumn Almanac」の聴き初めを行ったのであります。

いや、実際にはこれは、秋といっても枯葉が黄色く舞い落ちるような、もっともっと冬に近い秋、多分11月くらいの風景を歌い込んだものと思うので、いま聴くには少し早すぎるきらいはあるのだが、まあこの際それは置いときます。

ともかく曲を聴いたらですね、今までは気にも留めなかった、歌詞の中のひとつの単語が、僕の意識にコツンとぶち当たってきたのです。
それは何かというと、これが“Currant Bun”という言葉なのですね。
単純に訳すと“ぶどうパン”ということになるのでしょうか。

何でまた僕がこれに引っかかったのかと申しますと、前回の記事で訳した「Sitting In The Midday Sun」の歌詞。あの中にも同じくこの単語が登場していて、そして僕はその言葉の解釈に、少々手こずらされたからなのです。


さて、いきなりですが、ここでお話は“Currant Bun”から一旦逸れまして、ロンドンの“コックニー訛り”にひとっ飛びします。

コックニーというのは、ご存じのようにロンドンの下町言葉で、イーストエンドの労働者階級が好んで使っていた、一種の方言のようなものですね。
厳密には、ロンドンの「セント・メリー・ボウ教会」の鐘の音が聞こえる範囲で生まれ育った、生粋のロンドンっ子が使う言葉だそうですが、ただ、方言といっても、そこには言葉遊びみたいなスラングも含まれているので、部外者にはとてつもなく分かりにくい。

以前、レコードコレクター誌のキンクス特集の中で、ピーター・バラカン氏が語っていたところによると、例えばコックニーで(アップル)という言葉は、(リンゴ)ではなくて(階段)を表すんだそうです。
なぜなら、リンゴといえば梨なので、Apple & Pears(リンゴと梨)→ PearsはStairs(階段)に語感が似ている。だからアップルは階段。

同じようにBacon & Eggs(ベーコンエッグ)はLegs(脚)
Central Heating(セントラルヒーティング)はMeeting(会議)
最近ではBritney SpearsはBeers(ビール)ということになっているらしく、「ブリトニー飲みに行こうぜ!」と言えば「ビール飲みに行こう」という意味になるとか。

キンクスで言えば、『Something Else』の中に「Harry Rag」という曲がありますけれども、これもRagはFag、すなわち(紙巻き煙草)ということで、煙草好きの男について歌った曲なんですってね。

まあとにかくこんなのは、ロンドンの下町っ子ならぬ身の僕らには、辞書でもなければ分かりようもない。


さて、それで戻りまして“Currant Bun”について

「Autumn Almanac」の歌詞を見ると、これはこんな風に歌われています。

 Friday evenings, people get together
 Hiding from the weather
 Tea and toasted, buttered currant buns
 Can't compensate for lack of sun
 Because the summer's all gone.

 どんよりした金曜の晩
 そんな天気から隠れるように みんなが集まって
 紅茶と、バターを塗ったぶどうパンのトーストを楽しむ
 それでも日差しの弱さを紛らすことなんか出来ないさ
 だって夏は過ぎ去ってしまったんだもの

対して「Sitting In The Midday Sun」ではこんな風。

 Just sitting in the midday sun
 Just soaking up that currant bun
 With no particular purpose or reason
 Sitting in the midday sun.

 真昼の太陽の下に座って
 お天道様の光をいっぱいに浴びる
 目的とか理由とかそんなものはないよ
 ただお陽様の下に座ってるだけ

同じ“Currant Bun”という言葉を、「Autumn Almanac」では素直に“ぶどうパン”と訳しましたが、「Sitting In The Midday Sun」では色々と迷った末に“お天道様”と訳したのは、まさしく上に書いたコックニーのスラングに倣ったからです。

すなわち、コックニーでは、Bun(パン)はSun(太陽)に他ならない。

だけど、そうして考えてみると、「Autumn Almanac」だって、歌詞のこの部分では夏の太陽を恋しがっているのだから、太陽の暗喩として、レイ先生は敢えてあそこに“Currant Buns”という言葉を入れたのかも知れない。
逆に、「Sitting In The Midday Sun」だって、風来坊がひなたぼっこをしながら、ぶどうのパンをかじってる。もしくは“Bun”にはまた、イギリスの大衆紙の「The Sun」という意味もあるそうだから、ひなたぼっこをしながらタブロイド紙を眺めている、という解釈だって出来なくもない。

とまあ、そのように色々と思いを巡らせれば、“Currant Bun”という単語ひとつから、様々なイメージが広がるわけで…

以前にも何度か書いていますが、レイ先生の歌詞というのは、一見すると、とても平易な文章なんだけれども、その奥行きはとてつもなく広い。
割合に簡単な単語を使いながら、しかしその単語ひとつひとつを吟味していくと、思ってもない隠された意味が潜んでいたりして、だから、特に非英語圏の人間が、キンクスの世界観を解釈しようとしても、なかなか一筋縄ではいきませんね。
まあ、それがキンクスファンの、ある意味楽しみでもあるわけですが。


さて、まったくの余談ですが、コックニー訛りでは、“th”は“f”あるいは“v”となるというのを知りまして
するとこのビデオで



レイ先生が“free”と歌いながら、指を三本立てて“three”を表しているように見えるのは、これはやっぱりそういうつもりでパフォーマンスしているのでしょうか?
これ、長年の僕の疑問です。


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| Something Else | 21:23 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
オール・オブ・ザ・ナイトがH&Mのキャンペーン・ソングに


思いっきり手前味噌になるけれども、やっぱりキンクスは時代を超越してたことが、これで証明されちゃいましたね。

だって、いまH&M2013年秋のキャンペーン・ソングとしてTVで盛んに流れている、このジゼル・ブンチェンが歌う「All Day and All of the Night」は、これオリジナルが出たの1964年10月23日ですよ。
キンクス4枚目のシングルとして世に出たのが1964年の10月。

ということは、年月日だけ言ってもピンと来ないかも知れないので、あえて付け加えるけれども、1964年10月というのは、ちょうど前回東京でオリンピックが開催されていた時期でありまして、今から何と49年も前のことなのです。

それがまあ、アレンジの力はあるにしても、しかし今からおよそ50年も前の曲が、ファストファッション・ブランドの最新のキャンペーン・ソングに採用されて、キンクスなんか何も知らない若い子たちがそれを聴くというね、なんかやっぱりこれはスゴイことだと思います。

まあ、これをきっかけに若い子がキンクス好きになるというようなことは、僕はもはやそれは期待しないけれども、でもカヴァーとはいえキンクスの曲が世界中で流されて、老若男女問わず沢山の人に聴かれるというのは、それはそれでとても嬉しい。

ちなみにジゼル版「All Day and All of the Night」は、H&Mのサイトから数量限定で無料ダウンロードできるほか、iTunesストアで購入すると、その収益の一部が、途上国の子供たちへのワクチン購入費としてユニセフに寄付されるということなので、キンクスなんかは昔からあんまりチャリティーとかには縁のないバンドだったけれども、時にはこういうような使われ方をするのも悪いもんじゃないと、いちファンとしては感じております。



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| Something Else | 19:17 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
War Is Over



 老兵たちがあの戦争を語り合う
 より良い世界を創るために戦ったのだと
 夢を実現するために
 彼らは人生を賭したのだ
 今では彼らを知る者も少なくなってしまったが

 戦争は終わった
 争いは遠い昔のこととなった
 戦争は終わった
 
 戦闘に勝ちはしたが
 そこに見るべきものはあっただろうか
 
 行軍し 共に戦ったのは
 次の世代が自由になり
 より良い世界を築き
 新しい社会を創るためだった
 全ての階級が調和する社会を
 
 戦争は終わった
 全てを水に流そう
 戦争は終わった
 兵士は家路に就く時だ
 
 富める者も 富まざる者も
 希望と栄光のために戦い
 歴史を創ったのだ
 国民の歌声はひとつになる
 勝利に向かって鬨の声が響く
 
 戦争は終わった
 報国の友はもういない
 戦争は終わった
 以前の暮らしに戻る時だ
 
 我々は腕を組み
 心を込めて愛国の歌を歌った
 喜びの涙は悲しみを隠す
 将来に向かって再び会おう
 新たに創られる世界と共に
 “auf weidersein(さようなら)”を言おう

 我々に何をしてくれたのか
 我々に何を証明したのか
 物言わぬ墓の前に立ったとしても
 名もなき兵士は救われることがない
 
 戦争は終わった
 全ての兵士は家路に就く時だ
 戦争は終わった


1989年のアルバム『UK Jive』の中の一曲。
この年にようやく終結が宣言された、フォークランド紛争をイメージした曲と言われていますが、その歌詞は古今の全ての戦争に当てはまるような内容になっています。

どちらかの国が勝ち、どちらかの国が負ける。
そうした表面的な事実とはまた別に、敗戦国はもちろん、戦勝国にさえも、命を落とした名もなき兵士は必ずいます。

つまるところ戦争には、絶対的な勝者など存在しないということです。

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| Something Else | 22:05 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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