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なんとなく予感がして、ダムドのオフィシャル・サイトを覗いてみたら「間もなくニューアルバムが出ますからね」というアナウンスが書き込まれていて、そのタイミングの良さに我ながら少しばかり驚いた。
というのも、もし見落としがないのであれば、これは2001年に出た『Grave Disorder』以来、なんと7年振りの新作ということになるからだ。
この時点で「ダムドって何よ?」っていう人のためにちょっとだけ説明しておくと、ダムドはセックス・ピストルズ、クラッシュと共にイギリスの3大パンク・バンドと称されるロック・グループ。
当時、多くのパンク・バンドが「無政府主義者になってやる!」だの「ロンドンは燃えている!」だのといった政治的なアジテーションや、過激な言動で人気を博したのに対して、ダムドはパンクをメッセージではなく、その音楽スタイルで表現する珍しいタイプのバンドであった。
話は横道に逸れるけれども、この当時、キンクスやフーが「Godfather Of Punk」と呼ばれていたように、今日では、パンクというのは、テクニックに走りすぎるハード・ロックや難解なプログレッシブ・ロックを、もう一度KIDSの元に取り戻そうという、一種の文芸復興的なムーヴメントだったと理解されている。
であるので、政治的な主張や言動というものは、実は副次的な存在であって、つまり、キンクスやフーの直系の子孫は、音楽的にパンクを極めたこのダムドと、ポール・ウェラーのJAMくらいのものだったのではないだろうか。
逆にデイヴ・デイヴィスやキース・ムーンが、実際よりも10年遅く生まれてきて、R&RやR&BのみならずストゥージーズやMC5のような、60年代末のアメリカのニューウェーブを聴いて育ったら、きっとこのような音を出すことになっていたに違いない、と思わせるようなサウンドでもある。
さて、デビュー時にパンクの様相を呈していたから、一般的には「パンク・ロック」のカテゴリーに分類されることが多いダムドであるけれども、パンクの終焉と共に実に多様な音楽をやり始め、ハード・ロックであったり、メタルであったり、果てはパンクから一番遠いところにありそうな様式美に満ちたゴシック・ロックであったりを幅広く繰り広げていてるのを見れば、そうした分類には実のところ全く意味がないことがわかる。
しかし、そのような一切を踏まえた上で、彼らの音楽スタイルを敢えてカテゴライズするのであるならば「ブリティッシュ・ロック」と区切る以外にないのではないだろうか、と僕は常々思っている。
彼らの弾き出す音は、キンクスやフーに連なる、ブリティッシュ・バンドの音そのものなのである。
ダムドのニューアルバム『So, Who's Paranoid ?』は、11月17日にイギリスで、12月12日にアメリカで発売予定。ショップの他に、サイトからのダウンロード販売も行われるようです。
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