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Village Green 全曲解題1「Village Green」


 都会のスモッグや騒音から遠く離れた片田舎に
 緑にあふれた村がある
 教会の塔から見渡したのは
 あれは遠い昔のことだ

 僕はデイジーという名の娘と出会い
 古い樫の木陰でキスを交わした
 僕は彼女を愛してたけど
 名を上げてやりたい気持ちがあって
 それで村を出てしまった

 僕は緑の村を捨ててしまった
 あそこにいる素朴な人たちを
 僕は緑の村を失くしてしまった
 教会と時計台 そして尖塔
 朝露ときれいな空気 それに日曜学校も

 今ではあの家々は
 珍しい古民家ということになっている
 アメリカのツアー客も訪れるようになった
 写真を撮りながら口々に言う
 “なんてこった、最高の景色じゃねえか”
 デイジーは雑貨屋の息子のトムと結婚して
 そのトムの奴も 今や雑貨屋の親父におさまっている

 僕は緑の村を捨ててしまった
 あそこにいる素朴な人たちを
 僕は緑の村を失くしてしまった
 教会に時計台 そして尖塔
 朝露ときれいな空気 それに日曜学校も

 あの村へ帰ろう
 デイジーに会おう
 僕らはお茶をすすって笑い合うんだ
 そして緑の村の話をするんだ
 僕らは笑って 緑の村の話をするんだ


「Village Green」というのは、手元の英和辞書によれば「(芝の生えた)村の共有緑地《村人の遊び場などになる》」とのことであって、これはつまり村の中に存在する「緑の区画」といった程度のニュアンスでしょうか。
アルバムのタイトルソングである「The Village Green Preservation Society」が言うところの“Village Green”については、この辞書の説明通りで良いかと思いますが、でも今回取り上げているこの曲に限って言えば、これは「みどり村」といった感じの、村それ自体の名称と解した方がピッタリくると思います。

レイ・デイヴィスは、この曲を最初に書いて、その後これを膨らませてアルバムへと発展させて行ったということで、なるほど彼は、まずここで村の造型をしています。

そこは、都会から遠く離れた辺鄙な村。
緑にあふれた村内には、鋭くとがった塔をもつ教会と、大きな時計台があり、古い樫の大木が堂々とあたりを見降ろしている。
朝露に濡れる青々とした自然と新鮮な空気が村中に満ちて、日曜学校に通う素朴な人たちが住んでいる。
それが、主人公の生まれ育った場所です。

歌詞によれば、村に住んでいた頃のこの主人公には、デイジーという名の恋人がいましたが、彼が都会へ出たことがきっかけで別れてしまい、今では別の男性と結婚しています。
長い間、村を離れていた彼でしたが、近頃では都会の生活に満たされないものを感じ始めていて、故郷へ帰り、再びデイジーに会いたいと思っている。

けれども、彼が帰ろうとするその村は、少年時代を過ごした頃の、以前のままの姿ではありません。
村に点在する古い家屋が評判となり、いつの間にか観光スポットになっていました。今ではアメリカからツアー客が押し寄せるほどの、人気の場所になっていたのです。

だから、主人公が帰りたいと願う、素朴なままの「みどり村」は、今ではどこにも存在しません。
主人公は、生まれ育ったその土地へ帰ることができ、幼馴染のデイジーとも再会することはできますが、彼らがお茶をすすりながら語り合うのは、「あの頃の」みどり村であって、それは彼らの思い出の中にしか存在しない失われた場所なのです。

この曲に描かれるノスタルジックな感傷は、そのままアルバム全編に流れるテーマとなっています。
取り戻すことのできない、過ぎ去った日々に対する大いなる喪失感。
アルバムが、新奇なもの、革新的なものに沸く1968年に理解されず、そうした狂騒状態から覚醒した10年後、20年後に高く評価されるようになったのは、望郷とか郷愁といった万人共通の感情を、作品の中心にしっかりと据えていたからだと思います。


と、ここまでは、歌詞を読めばみんながすぐに理解できることであって、これだけではあまり面白くありません。
なので、以降は、僕の独自の深読みを書きます。

僕の推測では、アルバムの主人公はロック・ミュージシャン。
彼は「みどり村」で生まれ育ちましたが、幼少のころから見知っていたある人物に影響されて、ロック・スターになることを夢見て村を出ます。
都会へ出た彼は、ミュージシャンとして一応の成功を収めます。
しかし、近頃では金と欲にまみれた音楽業界に嫌気がさしており、昔の友達や恋人に思いを馳せて、故郷に帰りたいと願っています。

これがこのアルバムの大まかなストーリーです。

さて、ところで、この主人公というのは一体誰なのでしょうか?
僕はこれは、パイ後期のアルバムを好んで聴いてきた皆さんには、既にお馴染みの人物だと思いますが、さて?

答えを言うと、
僕は、これは「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第一回戦」の主人公の青年、その人だと思っています。
彼もまた、このVillage Greenの青年と同じように、名声を得たいと願って故郷を捨て、ミュージシャンとして成功を収めますが、金と権力の世界に嫌気がさして、自由を求めて出奔しようとします。
何となく話が重なり合いませんか?

「ローラ〜」の青年は、アルバムの中に当時のキンクスのマネージャーや、出版社の実名が登場することから、レイ・デイヴィスの分身といって間違いないでしょう。そして、この「ヴィレッジ・グリーン」の青年にもまた、レイ自身のキャラクターが多分に投影されていると考えられます。
つまり、ふたりは同一人物ということです。


「The Village Green Preservation Society」アルバムは、この主人公を中心にした話を軸に、彼を囲む人物や、村に伝わる伝承などをこれに絡めて進んで行きます。

次回は、この主人公に影響を与えた、ある人物について考察します。


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| VillageGreen全曲解題 | 00:07 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント

『Village Green Preservation Society 』の全曲
解題企画、とても楽しみにしていました。
本の一ページ目を開いたような気持ちで、今から
とてもワクワクしています。
次回も、楽しみにしてます。
そして今後も、応援しております!
| メロディー | 2012/03/03 8:12 PM |
メロディーさん

いつもありがとうございます。

以前のアーサーの時もそうだったんですが、こういうのを始めると、我ながらあまりにもマニアック過ぎちゃって、「みんなこれ読んで呆れてるんじゃないだろか?」とか考えてしまいます。

たぶん今回も、色々と独りよがりなことも書いていくと思いますので、まあ「こういう考えもあるのね」くらいの感じで、話半分に読んでいただけたらと思っております。
| Pandaboy | 2012/03/04 11:12 AM |
私はこの曲の哀愁がある音が好きです
この曲の主人公が「ローラ対〜」の青年だと思うと 更に物語がつながりました
いつも聞いている曲なのにまだまだ解明できるとこがあるなと思いました
解題企画これからも楽しみにしています
| calfarm | 2012/03/05 3:39 PM |
calfarmさん

コメントありがとうございます。

>私はこの曲の哀愁がある音が好きです
僕もこの曲は、個人的にキンクスのベストスリーに入れても良いくらいに大好きです。
だから、calfarmさん初め、他の皆さんにも様々な思い入れがあるこの曲を、こんな風に自分なりに解釈して書いてしまって、それぞれのイメージが壊れたら申し訳ないな、という気持ちもあるんです。

まあいろんな解釈があるうちの、そのほんの一例として、気軽に楽しんでいただけたら嬉しいです。

この企画はまだ始めたばかりで、先々どうなるかほとんど白紙状態ですが、ぜひ長い目で見てやってください。
| Pandaboy | 2012/03/05 5:59 PM |
はじめまして。
つい最近、こちらを見つけました。
当方、ROLLING STONESを中心としたBLOGですが、最近、KINKSを聴き直していたところです。
こちらのような本格的/専門的な記事の足下にも及びませんが・・・。

それにしても素晴らしい記事の数々・・・ゆっくり拝読させて頂きます。
| Silver Train | 2012/03/10 4:47 PM |
Silver Trainさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

いやあ、僕のこれは、思いつきをただ書きなぐっているブログですので、そんなにお褒めいただくと恐縮してしまいます。

それで早速、Silver Trainさんのブログに伺ってみたらビックリ、なんとキンクスの記事が満載じゃないですか!
嬉しい嬉しい!

近いうちに、改めてコメント残しに参りますね。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
| Pandaboy | 2012/03/10 11:35 PM |
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