CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
amazon
キボウのカケラ
LinkShare
アフィリエイトならリンクシェア
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
<< 誰がデイヴィス兄弟を演じるか? | main | Kinks At the BBC Box set 発売情報(短信) >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
Village Green 全曲解題6「Monica」
 モニカは真夜中に
 街灯の下に立つんだ
 男たちは誰もが
 彼女の愛は買えるものと思ってるけど
 モニカからの優しい愛は
 お金なんかじゃ買えないんだ

 夜明けから月の輝く夜まで
 モニカはあらゆる手管を知っている
 求婚なんてしちゃダメだ
 だってモニカはすべてお見通しなのさ
 鼻で笑っておバカさんねって言われるのがオチさ
 
 僕は死んじゃうかも
 モニカがいなくなったら
 僕はきっと死んじゃう
 ああ、いとしのモニカ
 みんなはモノにしようとする
 モノにしようとはできるけど
 モニカの愛は買えないんだ

 君が太陽を選ぶなら
 僕は夜の影を取ろう
 だってモニカが輝くのは夜だから
 彼女はイケナイことをして
 その正しさを証明して見せるんだ
 
 僕は死んじゃうかも
 モニカがいなくなったら
 僕はきっと死んじゃう
 ああ、いとしのモニカ
 みんなはモノにしようとする
 モノにしようとはできるけど
 モニカの愛は買えないんだ

 夜明けから月の輝く夜まで
 モニカはあらゆる手管を知っている
 求婚なんてしちゃダメだ
 だってモニカはすべてお見通しなのさ
 鼻で笑っておバカさんねって言われるのがオチさ
 ああ、モニカ


歌詞を読んで想像するに、このモニカという女性は、娼婦に違いない。

…という一般的な見解に乗っかって、まずは話を進めます。

モニカは夜な夜な街角に出没する娼婦。そしてVillege Greenから出てきたばかりの純朴な青年は、彼女に本気の恋をしてしまう。
その顛末を歌ったのがこの曲だという解釈です。

僕はしばらく前のエントリーで、この青年というのは「Lola vs Powerman〜」の主人公と同一人物に違いない、ということを書きましたけれども、するとこのモニカという女性は、「Lola vs 〜」でいうところの“ローラ”みたいな存在でしょうか?
こちらは娼婦、あちらはニューハーフという違いはあるものの、いずれもうぶな青年が、都会に出て初めて恋する相手としては、中々ドラマチックなものがあります。

「モニカ」≒「ローラ」説。これが第一の仮説です。


ところでこの「Village Green Preservation Society」というアルバムを見ていると、全体の中に互いに対をなす曲が、いくつか含まれていることにお気づきかと思います。
たとえば「Picture Book」と「People Take Pictures of Each Other」は共に写真でつながっているし、「Phenomenal Cat」と「Wicked Annabella」は、童話的な作風が共通している、といった具合です。
すると、この「Monica」にも、ひょっとしたら対になる曲があるのかも知れない。

そこで思いついたのが、このアルバムの前身となる「Four More Respected Gentlemen」に収録が予定され、後に「Wonderboy」とのカップリングでシングル・カットされた「Polly」という一曲です。

 ポリーはママの言うことを聞こうとしなかった
 ポリーはパパの言うことを聞こうとしなかった
 彼女はスィングする街の真っ只中に出たかった
 今では街中に知らない場所なんかない
 
 ポリー 可愛いポリアンナ
 ポリー 可愛いポリアンナ
 可愛いポリー・ガーター
 家を飛び出すべきじゃなかったのに
 
 可愛いポリーは最高にいかした服を着てる
 めちゃくちゃ愛くるしいってみんな言う
 50万人もの人が言うんだよ
 でも彼女は家にいるべきだったのになあ
 
 ポリーはママに手紙を書いた
 ポリーはパパを混乱させた
 ママは親子の絆が失われていないことが誇らしかった
 彼女のベイビーが帰って来てくれてハッピーなんだ
 
 可愛いポリーは
 人生はゲームみたいって学んだんだ
 絆を壊さなきゃいけなかったことを悲しんだけど
 ママは知っているよ
 だってママも同じだったからね
 彼女のベイビーが帰って来てくれてハッピーなんだ
 
 ポリー 可愛いポリアンナ
 ポリー 可愛いポリアンナ
 可愛いポリー・ガーター
 家を飛び出すべきじゃなかったのにね


ここでは特に、この女の子の名前に注目していただきたいと思います。
歌詞を読むと、ポリーのフルネームは“ポリー・ガーター”だとあります。

ポリー・ガーター(Polly Garter)。
面白いことに、これはディラン・トーマスの「Under Milkwood(ミルクの森で)」に登場する、ある人物と同じ名前なのです。

…というわけで、ここからは原文の斜め読みによるにわか知識なので、間違っていたらゴメンなさいなのですけれども、詩劇の中で描かれるポリーは、奔放な男性遍歴を繰り返す、若き未亡人ということになっています。
彼女の口からは、過去に関係を持った何人もの男性の名前が出てきますし、今でも村の住人であるMr. Waldoと、人目を忍んで会ったりしていて、村の奥様方に格好のゴシップの種を提供しています。
そうした意味では、ある種の“娼婦”的な女性だと言えるでしょう。
この辺り、非常にモニカのイメージに近い感じが僕はしました。

しかし、劇中で歌われる彼女自身の言葉を聞けば、その派手な男関係が、単に彼女自身の欲望に起因したものではないことが分かります。

 あたしはトムという名の男を愛したわ
 熊みたいに強くて とっても背が高かった
 あたしはディックという名の男を愛したわ
 樽みたいに大きくて がっしりと逞しかった
 あたしはハリーという名の男を愛したわ
 6フィートも背があって チェリーみたいに優しかった
 だけど昼も夜もなく愛したのは
 たった一人の男だけ
 彼の名前はリトル・ウィリー・ウィー
 地中深くに眠ってる

 ああ トムとディックそれにハリー
 三人とも素敵な人だった
 二度とあんな風に人を愛する事もないでしょう
 でも リトル・ウィリー・ウィーは私を受け入れてくれたのよ
 リトル・ウィリー・ウィーこそが私の人だった

 いろんな教区から男たちがやって来て
 私を追いかけて野原で転げまわるわ
 丘から来たジョニーや船乗りジャック
 そんな男たちを愛する時はいつでも
 トムやディックやハリーみたいに
 私を喜ばせてくれるかを考えてしまうの
 そして彼らの傍にいて私がいちばん思うのは
 溺れて死んだリトル・ウィリー・ウィーのこと

 ああ トムとディックそれにハリー
 三人とも素敵な人だった
 二度とあんな風に人を愛する事もないでしょう
 でも リトル・ウィリー・ウィーは私を受け入れてくれたのよ
 リトル・ウィリー・ウィーゼルこそが 私の最愛の人だった


つまり、彼女はかつて愛した、ただ一人の男性(夫)に先立たれ、その悲しみを忘れるために、様々な男性と関係を重ねているというのです。
そして、このポリー・ガーターの独白を見る限り、彼女の立ち位置や性格は、キンクス版「ポリー」よりも、むしろ「モニカ」のそれに酷似している気がするのですが、いかがでしょうか?
傍から見れば、娼婦のように、いかにも奔放に振る舞っているようではあっても、その本質は、かつて愛した亡夫をいつまでも忘れられずにいる一途な女性。それがポリー・ガーターであり、恐らくそれはモニカでもあるのだろうと僕は思います。
だからこそ、色々な男が言い寄ろうとも、「モニカからの優しい愛は、お金なんかじゃ買えない」のです。

レイ・デイヴィスはアルバムの制作にあたって、ポリー・ガーターをモデルにした曲を2曲書き、「Four More Respected Gentlemen」に収録しようとしたものの、直接的にディラン・トーマスの登場人物の名前を歌い込んだ「ポリー」を外し、残りの一曲を残した。

つまり「モニカ」≒「ポリー・ガーター」説。これが今回の第二の仮説です。
僕はこちらの方が真相に近い気がしています。

■おまけ■



こちらは、上に訳したポリー・ガーターの独白部分の詩もとに、エルトン・ジョンが曲を書き、ジョージ・マーティンがプロデュースした、ボニー・タイラーの「I loved a man」。
これがポリー・ガーターの本質を捉えている気がします。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★

| VillageGreen全曲解題 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 20:47 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kinkysound.jugem.jp/trackback/272
トラックバック