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盗まれた子供
世の中に腹の立つことというのは、それは沢山あるけれども、中でも一番腹立たしいのは、残念なことに毎日のように報じられる子供の虐待だ。

これはもう単に「腹立たしい」とかいうレベルを超える。
こういうのをニュースで見たり、新聞で読んだりしていると、腹の中から怒りとも悲しみとも、自分でもなんだか分からない感情が噴出してしまい、心もポキポキ折れてしまって、もう胸の内というか、五臓六腑が痛くて仕方なくなる。
正直へこむ。

聞くところによると、赤ちゃんってのは、お母さんのお腹にいる間に、一生懸命に笑顔を作る練習をするんだって。
生まれてきたらニコニコ笑って、周りの人に可愛がってもらえるように、そういう練習をしてるんだって。そんな話をどこかで読んだ。
もちろんそれは本能であって、本人が意識してやっているわけじゃないんだけれども、神様は、だからそういう風に子供を作ったんです。みんなから可愛がってもらえるように。

それを、本来なら一番守ってもらわなければならない立場の親であるとか、あるいは多くの場合、その同居者に踏みにじられるというのは、これはなんとしても許し難い。

もちろん異論はあるでしょうが、僕は、子供を殺めた人間というのは、これはもう迷うことなく極刑でいいと思っています。
大人同士の場合は、まあ死に至らしめたとしても仕方が無いというような事情が、情状酌量の余地のある事案が、時に起こり得るかもしれません。
でも、子供に関しては、それはない。
子供を傷つけ、最悪殺すことに、正当な理由なんてものはない。

子供を殺すということは、その子に与えられた未来を丸ごと潰してしまうということだ。
それは大人を殺すよりも、何倍も罪深いことじゃないだろうか。


世界中に伝わる数々の妖精譚の中に「取り替え子(Changeling)」という系譜があります。
アイルランドに取材して多くの妖精物語や詩を書いたウィリアム・バトラー・イェイツによると、妖精はすやすやとベッドに眠る人間の赤ん坊を、妖精の中で瀕死の者であるとか、場合によっては魔法をかけて人間に似せた木の枝などと、こっそり交換してしまうそうです。
入れ替わった方の妖精や木の枝は、すぐに衰えて死んでしまう。
一方、連れ去られた方の子供は、妖精のもとで召使にされるとも、或いは優しい妖精たちに囲まれて、幸せに暮らしているとも言われています。

そのイェイツが、この取り替え子の伝承を下敷きにして書いた詩が「盗まれた子供(The Stolen Child)」です。

 スルース・ウッドのごつごつとした高嶺のふもとが
 水面に浸るみずうみに
 葉の生い茂った島がある
 青鷺が羽ばたき
 眠たそうな水鼠を目覚めさせる場所
 そこには野苺や
 盗んできた真っ赤な桜桃の入った
 俺たち妖精の桶が隠してある
 おいで人の子よ
 水辺へ そして原野へ
 妖精と手に手を取って
 この世界はおまえの知らぬ
 深い悲しみで満ちている

この19世紀に書かれたノーベル賞作家の詩に、ウォーターボーイズが曲をつけた同名の楽曲が、彼らがアイルランドに深く入り込んだ、1989年の素晴らしい「Fisherman's Blues」に収録されています。



19世紀のアイルランドを遠く離れた現代の日本には「この世界はおまえの知らぬ、深い悲しみで満ちている」どころか、深い悲しみしか知らない子たちも沢山いる。

もしも、幼くして失われた命が取り替え子のものであったなら、本当の人の子はどこか知らない場所で、優しい妖精たちに囲まれて、幸せに暮らしていけるのに。


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| Complicated Life | 00:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント
なぜ、育児放棄をしたり、自分の子を虐待してしまうのか。。
まったく理解できません。
子どもに限らず、動物にたいする虐待も許しがたいですし、
弱気を助ける心というのは、自然に身につくものではない
のでしょうか。
虐待によって命を絶たれてしまった子は、来生では必ず
優しいお母さんのもとに生まれてくると信じたいです。
そして、今回pandaboyさんがご紹介してくださった
妖精のお話のように、森の奥深くでひっそりとみんな
仲良く暮らしているはず。。と思ってあげることって
大切だと思います。

本当偶然ですが、mond companyの方でも小枝のピッコロと
いう森に住む不思議な子を紹介しています。

| メロディー | 2012/04/16 7:31 PM |
メロディーさん

イベント直前のお忙しい時期に、こんなシリアスな記事にコメントいただきましてありがとうございます。
おっしゃる通り、子供に限らず動物に対しても思いは同じですね。
無抵抗なもの、か弱いのもに対する暴力は、耳にするだけで無性に腹が立ちます。

それはそうと、小枝のピッコロ見てきました。
僕も記事を書くのに、昔読んだ妖精の本とかを読み返している時期でしたので、たいへん面白かったです。
僕は一時期アイルランドに凝りまして、本文に書いたようなイェイツの著作とかも読んだんですが、かの地の妖精にもピッコロ君みたいのが出てきます。
ちくま文庫から出ている「ケルト妖精物語」は文章も美しくて、夢があって、お薦めですよ。
| Pandaboy | 2012/04/17 12:23 PM |
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