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今週のボツネタ (その2)

 ボツというか、エントリーを入れようとして準備していたのに、急に忙しくなって、そのままにしてしまったため、アップする時期を逸してしまったのが「バチカンがジョン・レノンを42年ぶりに許した」と言う話題。

許された罪というのは、ビートルズのアイドル的な人気が頂点を極めた1966年の雑誌インタビューで、ジョンが「今や僕たちはキリストよりも有名」といった意味の発言をしてしまい、特にアメリカのクリスチャンから猛烈なバッシングを受けたという例の件ですね。
ジョンの発言は、さらに「キリスト自身は偉かったけど、弟子がみんな馬鹿だった」といった風にエスカレートしていたように記憶していますが、彼の伝記映画『イマジン』などを観ると「ビートルズは、今やキリストよりも、若者のものだと言いたかった」のが誤解して伝わったのだ、などと弁解していましたっけ。

日本人の感覚だと、皮肉屋で小生意気なアイドルの放言なんか、スポーツ紙か女性誌のゴシップ記事に載るくらいで終わりなんだろうけど、宗教がキチンと根付いている国や地域では、これは42年間も許されることのないような重大発言だったんですね。

ところで、ジョンはビートルズ後において「神なんて、俺たちが苦痛の度合いを測るための観念にしか過ぎねえぜ!」とか、「天国なんかありゃしねえって想像してみろよ、宗教なんかありゃしねえって想像してみろよ」などと、宗教者を挑発するような歌を歌っているわけですが、この辺はローマ教皇庁の方たち、どうお考えなのでしょうか?

【註】
ジョンって、その死後、どうしても「愛と平和の人」として、聖人のような語られ方ばかりされるので、面白くないので、敢えて荒っぽい言葉で訳してみました。
悪しからず…。


さて、キンクス関連のニュースでは、今週は再結成に関するものが影を潜めて、ボックス・セット『Picture Book』のレビューとか、28日から始まったレイの短いアメリカツアーに関するアナウンスのようなものがほとんどでした。
ツアーに伴って、レポートやインタビューが入るかもしれないので、ひょっとして来週あたりは、新しい話題が出て来るのかも知れません。


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| Something Else | 17:10 | comments(2) | - | pookmark |
初冬の澄んだ空気のような 『Something Else By The Kinks』

 キンクスのアルバムで最も「冬」を感じさせるのは、間違いなくこの『Something Else By The Kinks』。

「chilly」 と言うのは「肌寒い」とか「ひんやりする」という意味だけれども、この時期、夕暮れ時に街に出て、冷たい風に当たったりすると、僕は必ずこの『Waterloo Sunset』の一節「chilly, chilly is the evening time」を口ずさんでしまいます。

以前にも書いたかもしれないけれど、僕は日常生活の喜怒哀楽のほとんどを、キンクスの歌で表現してしまうようなダメ人間なので、寒さが徐々に身にしみてくるこの季節になると、『Something Else』の中の何曲かが頭の中をグルグルと常に回り続けることになります。

ちょっと前までは、ずっと『Autumn Almanac』が頭の中に流れていましたが、こう寒くなってくると「Yes, yes, yes, it's my autumn almanac」なんて弾んだリズムは浮かんできません。

 Winter time is coming
 All the sky is grey
 Summer birds aren't singing
 Since you went away

と歌いだされる『End Of The Season』は、自分的には、曇り空の日の午後の外出の定番曲。
イギリスのどんよりとした寒空を思わせる、落ち着いた曲調が、日本の乾燥した冷気にもぴったりです。


考えてみると、作品の中で直接的に“冬”を歌っているのは、この2曲だけのような気もしますが、これらの曲の持つ雰囲気、特に『Waterloo Sunset』の、クリスマス・イルミネーションを思わせる、キラキラとした雰囲気のおかげで、アルバムの他の曲にまで、この季節に特有の、澄んだ空気が醸しだす静謐な気配が波及しているように感じられます。

『Two Sisters』の舞台劇のような物語も、僕には冬という季節の中で演じられているとしか思えないし、切ないボサノバ調の『No Return』からも、冬枯れの景色を窓辺に見ながら、一人部屋の中に閉じこもる主人公の姿が浮かんできます。


こうして書いてみると、「これひょっとして暗いアルバム?」などと思われるかも知れませんが、もちろんそんなことは無くて、何だろう「英国の初冬の空気感の持つ、凛とした佇まいに溢れた音楽」とでも表現すれば良いのかな?
まあ、この時期のイギリスの空気感がどのようなものかも分からないで言っているのですが…。


とにかくこれは、キンクスの全アルバム中、5本の指に間違いなく入る素晴らしい名盤。
ビートルズの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』や、ストーンズの『Their Satanic Majesties Request』のリリースを横目で見ながら、レイ達はこんなに生真面目なロック・アルバムを地道に創っていたんですね。


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| Heavy Rotation | 17:27 | comments(2) | - | pookmark |
キンクス再結成関連(?)ふたつのニュース

 11月24日付けで、キンクス関連のニュースがふたつ見つかったので、とりあえずアップしておきます。

どちらも再結成に関する記事と言ってよいのかと思いますが、積極的なレイに対して消極的なデイヴという図式が見えていて、こちらとしては複雑な心境になります。

Burt Onlineというサイトのデイヴに関する記事では、この春に行ったレイへのインタビューの最後に、デイヴのコメントがちょこっと載っている程度なのですが、デイヴの考えが分かって中々興味深いものです。
要するにデイヴは「キンクスのショーをやる事に何の問題もない。でも、レイと一緒にスタジオに入ることが楽しいとは思えない」などということを述べていて、デイヴって本当に兄貴のことが大っきらいなんだなぁ、というのがリアルに伝わってきます。
でも、まあ“I don't see anything wrong with doing some Kinks shows”と言っているわけだから、前進といえば前進なのかな?

で、もうひとつが、11月23日のロンドンでの、キンクス・ファン・クラブに向けたKAST OFF KINKSのギグに関するもので、以前このブログでも取り上げたネタでしたが、ここにレイ・デイヴィスが飛び入りして『Days』と『Come Dancing』を歌ってくれた、というニュース。

ご存知のように、KAST OFF KINKSというのはミック・エイヴォリーやジョン・ダルトン、ジョン・ゴスリングが組んでいたキンクス・トリビュート・バンド。
今回は二人のジョンが抜けて、変わりにジム・ロッドフォードとイアン・ギボンズという、いずれもキンクスOBの皆さんが加入してのステージだった訳ですが、ここにレイが飛び入りしたということは、これはもうほとんどキンクスそのものではないですか。

さあ、そこで考えるのは、キンクス再結成の要件って一体何なんだろうということです。
例えばレイがこのまま昔のメンバーとグループを続けたら、それはキンクスなんでしょうか?
だったらメンバーは乗り気なんだし、すぐにでも再始動が出来そうです。


ってそんなわけはない!
まあ大方のキンクス・ファンは、レイとデイヴが揃わないキンクスは、キンクスとは認めないんでしょうね。(もちろん僕も含めてですが)

先にあるように、デイヴの発言も徐々に軟化してきているみたいだし。
もうしばらく、レイとデイヴの様子を見守ってみることにします。


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| Around The Kinks | 19:31 | comments(2) | - | pookmark |
今週のボツネタ

 ブログの記事にしようと思ってチェックはしたけれども、結局形にならずにボツにしたネタを記しておきます。
まあ、後で読んで思い出に浸ろうという、個人的な備忘録みたいなものです。

11月18日「ビートルズの未発表曲」リリースの噂が流れました。
ポールによるリークで、曲は以前からその存在が取りざたされていた、67年制作の『Carnival of Light』。
これはWHOの武道館翌日だったので、我ながら気持ちがウワツイており、即座にボツネタ行き決定でした。

僕にはどうも「ビートルズ活動時原理主義」みたいな考え方があって、彼らがグループとして存続していた時に発表されたものは正規のモノ、それ以外はいかに各メンバーが関わろうとも、イリーガルなものとして捕らえる傾向があります。
これは多分、裏ではどうであれ、4人が最終的に和解することなくジョンの死を迎えたことに起因するのだと思うけれども、つまり、メンバー全員が了解したうえでないと、あの時代の封印を解くことは罷りならんという考えです。

今回のこの曲の発表にしても、少なくともジョンとジョージは了解していないわけで、待ちわびるビートルズ・ファンの気持ちも分かるけれども、個人的には公開されて欲しくないという思いがあります。


アルバムの発表が今週末に迫っていることもあり、ガンズ・アンド・ローゼズの話題も良く目にしました。
ドクター・ペッパー社が宣言した「今年中にガンズがアルバムを出したら、全アメリカ国民にドクター・ペッパーを一缶ずつプレゼントする」というおまけも付いて、話題性は充分でしたが、僕としての食いつきどころはそこではなくて、ガンズがオリジナル・アルバムを出すのは17年ぶりというところでした。
キンクスなんか『トゥ・ザ・ボーン』から12年、『フォビア』からでも15年しか経ってない。
なーんだ、まだまだ望みはあるじゃないか。


さて、最後はこの話題。
レイ・デイヴィスのアメリカツアーが始まるに際して、フロリダの新聞がインタビューした時のレイの発言。
“In the last few days all four original members have communicated, and we’re going to try to get together and have a chat.”

「最近オリジナル・メンバーと連絡した」と、そして「一緒にやって行くために話し合いを始める」というものですね。
このところのレイは、口を開けば再結成に言及するみたいで、また、インタビュアーもそれを引き出そうと色々試みているんでしょうが、なんかもっと具体的な話が欲しいところです。

ツアーは12月13日まで続くようだし、年内いっぱいは重大発表はないのでしょうか?
まずは来月発売のボックス・セットの売れ行き次第というところでしょうかね。


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| Something Else | 18:50 | comments(0) | - | pookmark |
レイ・デイヴィス「作曲家の殿堂」にノミネート

 Dave Emlenさんのキンクスサイトを見ていたら、News & Rumorsのページに、レイ・デイヴィスが2009年の「Songwriters Hall Of Fame」にノミネートされたことが書かれてました。

僕の勉強不足で「Songwriters Hall Of Fame」って、あんまり聞いたこと無かったんですが、1969年から続く歴史のある賞のようで、音楽界で20年以上活動してヒット曲を数多く創ってきたことが受賞の条件なんだとか。
1969年創設だから、2009年は記念すべき40回目の開催ということになりますね。

これまでの主な受賞者をロック関係から拾ってみると、
1982年 ボブ・ディラン
1987年 レノン&マッカートニー
1993年 ジャガー&リチャード
2000年 ドン・ヘンリー&グレン・フライ
2000年 ブライアン・ウィルソン
2002年 スティング
2003年 クイーン
といったところで、まあ、錚々たるメンバーと言えますが、ロック側から見ると、当たり前といえば当たり前すぎる顔ぶれです。

ただ、賞の対象は広い分野の作曲家なので、例えば過去にはジョン・ウィリアムズのような映画音楽の人や、アンドリュー・ロイド・ウェバーみたいなミュージカル畑の人、更にはジョージ・ガーシュインやコール・ポーターのような、もう既に歴史上の人物と言っても良いような人までが受賞していることを考えれば、ロック・ミュージシャンとしてノミネートされるだけでも凄いことなのかも知れません。

さて、今回も様々なジャンルの作曲家に混じって、ロック界からは、故ジェリー・ガルシア、モンキーズの作曲家だったボイス&ハート、レオンラッセル、クロスビー・スティルス&ナッシュ、スティーヴ・ミラー、そして我らがレイ・デイヴィス先生などがノミネートされているようです。

ちなみにレイのノミネート理由となる「キー・ソング」には、
『Come Dancing』 『Lola』 『Tired of Waiting For You』 『Well Respected Man』 『You Really Got Me』が含まれているということでした。

受賞の発表は2009年の3月、授賞式は6月に行われる予定ですが、デイヴィス先生は栄えある「作曲家の殿堂」入りを果たすんでしょうか?

今から結果が楽しみです。


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| Around The Kinks | 19:38 | comments(0) | - | pookmark |
聖地のTHE WHO

 

ほとんどの人が、その場所にWHOが立つということの意味を、強烈に意識していたに違いない。
武道館はライブが始まるずっと前から、異様なほどの緊張感に包まれていた。

予想通り、観客の年齢層は高めである。
会社ではきっとそれなりの役職にいるであろう人達や、恐らくリタイヤされたと思しき人達も少なからずそこに居て、2階席から俯瞰して見ると、所謂「ロック・コンサートに来た!」という、浮いた感覚とはなじまない。
一人での参加率が非常に高いため、みな黙々とプログラムなどを眺めたりして、ワクワクした感触ともまた程遠い。
こちらの勝手な思い込みかも知れないが、みんな「楽しみに」来ているというよりも、何か特別なものを「体験しに」来ているといった様子で、その始まりを待っている。


19時ジャストに「間もなく演奏が始まります」のアナウンスが流れると、会場の緊張は一層高まる。
アリーナの半数は早くも立ち上がって、バック・ミュージックにあわせて体を揺らしたりをし始めている。
この時点で、僕は自分の体が驚くほど硬くなっているのを意識する。
武道館全体を包むのは、吐きそうになるくらいの強烈な緊張感のみである。

演奏開始があと5分ほど遅れたら、会場に居た何人かは暴走を始めていたんじゃないだろうか。
19時10分に『I Can't Explain』が始まると、全席総立ちとなった観客の意識は、濁流のような一体感でステージに殺到した。


全員の視線がステージに集中する。
当然といえば当然だが、ピートとロジャーが前面に出て、バックメンは完全な黒子扱いである。
見ようによっては「サイモン&ガーファンクル」みたいな立ち位置だ。

武道館のさして広くはないステージであるが、WHOの二人以外は決して前方に出てこないため、ピートもロジャーも比較的自由に動き回ることが出来る。
ピートは黒の帽子にサングラス、黒づくめの衣裳。遠くからだと、何だかリック・ニールセンのようでもある。
ロジャーは白いシャツに黒のパンツ、黒のベスト姿。眼鏡をかけているのは、空中に放り投げたマイクが見えなくなるからなんだろうか?

WHOの二人も、武道館が特別な場所であることを、きっと認識していたのだと思う。
ピートのウィンドミル奏法がいたる場面で炸裂し、ロジャーのマイクは空中を何度乱れ飛んだか知れない。
途中のMCでも、ピートは「Fabulousな場所へ来たぜ!」のようなことを言い、始終上機嫌でのステージが続く。

曲はオープニングの『I Can't Explain』や『Anyway Anyhow Anywhere』のような初期のものから、『Who's Next』期、『Who Are You』期を経て、最近作の『Endless Wire』からの『Fragments』まで、新旧を織り交ぜた万遍ないもので、基本的にはベスト盤には必ず入っているであろうというようなムラのない選曲。
それだけに、若いファンにも馴染みやすかったんじゃないかと思う。


それにしても、ロジャー・ダルトリーのヴォーカルが物凄い。
彼のような絶叫型のヴォーカリストは、枯れるのも早いだろうと思いがちだが、ロジャーの場合にはこれが全く当てはまらない。
『Love Reign O'er Me』にしても『Won't Get Fooled Again』にしても、僕が知っている限りでは、少なくとも1982年の解散ツアーの時よりも余程音程がしっかりしていて、声量もこれを凌いでいた。
64歳にしてのこの体力!
さすがにグループから孤立してまで、自分の喉を守ってきた人物は違うのだ。

先にも書いたとおり、ピート・タウンゼントのギターは絶好調。
緩急のメリハリが絶妙で、豪放でありながら繊細と、ロック・ギタリストの理想像を正に体現する、素晴らしいテクニックである。
ウィンドミル奏法のあまりの連発に、初めのうちはどよめいていた観客も、次第に歓声を忘れてしまった。
つまり、それほど自然なパフォーマンスであったのだ。

『Behind Blue Eyes』 『Baba O'Riley』 『Love Reign O'er Me』…。披露されるすべてが、とても大切で愛おしい名曲ばかりである。
観客の多くは、ほとんどの歌詞を知っていて、全員参加型のライブでもある。
会場全体が過去に現在に行き来しながら、幸福感に包まれた時間が流れる。
まさに至福の時だ。

前回のエントリーに「個人的には『My Generation』はオープニング曲、『Won't Get Fooled Again』はエンディング曲という勝手な思い込みがある」から、『Won't Get Fooled Again』を最後に聴きたいと書いたけれども、この日のエンディングは『My Generation』。
しかし、『My Generation』からのメドレーのような形で『Naked Eye』になだれ込むや、自分の勝手な思い入れは木っ端微塵に吹き飛ばされる。
この仕掛けがあるのなら、曲順はこれが至上であろう。


アンコールは『Pinball Wizard』から始まるTOMMYメドレー。
しかし、僕は『Sparks』がクライマックスにさしかかる頃には、手拍子も、拳を振り上げることもできずに、口をあんぐりと開いたまま、その場に立ち尽くすことしか出来ないでいた。
あのウッドストックのステージにいたと同じギタリストが、同じ指が、僕達の目の前で、あのフレーズを、今まさに弾き出しているのである。
WHOを観ることとは、すなわちロックの歴史を目撃することなのかもしれない。
タイムスリップに近い不思議な感覚。
『See Me Feel Me』に入ると、その不思議な感覚が増幅される。

やがて、その感覚の余韻も覚めやらぬまま、ステージはメンバー二人によるアコースティックな『Tea and Theatre』で、意外なほど穏やかに、その日の全てのプログラムを終えた。


「もしも君が完璧に英語を話せたとしても、イギリス人にとってWHOがどのような存在なのかということは永遠に理解できないだろう」
いつ頃、どの雑誌に載った、どういった内容の記事かは忘れてしまったけれど、その筆者がイギリスの友人に言われた言葉であるそうだ。
英語も堪能でなく、ましてやイギリス人でもない僕ではあるが、しかし、このイギリス人の言わんとすることは何となくわかる。

つまり、WHOは精神的に特別な存在だということである。
ただし、イギリス人にとってばかり特別である訳ではない。
WHOは、ロックを愛する全ての人間にとって特別な存在なのだ。

今回のライブでは、過去にキンクスを観た時にも、ストーンズを観た時にも、ポール・マッカートニーを観た時にも感じなかった、ある種の神聖な感覚を味わった。
強いて挙げれば、ブライアン・ウィルソンの『ペット・サウンズ』全曲ライブを観た時に近い、アーティストの真摯な態度が、観客にダイレクトに伝わる類い稀なステージであった。

あるいは僕達、あの場にいた全員は、ロックの歴史にひそかに刻まれることになる、貴重なライブを体験できたのかも知れない。


付記
ロック史上最も偉大なベーシストと、もっとも破天荒なドラマーの代役は、誰が引き受けてもまず間違いなく批判の対象にされるのであろう。

しかし、キース・ムーンの狂気まで演出できはしないものの、それでもザック・スターキーは良いプレイをしていた。
もう色んな書き込みなどで悪評紛々の、ピノ・パラディーノのベースにしても、どこをどう聴けば「ヘタクソ」などと言う言葉が出るのか理解しかねる。
堅実なサイモン・タウンゼント、要所要所を手堅くまとめあげるラビットと共に、今回のサポート・メンバーにも深く感謝の意を表したい。

ただ、惜しむらくは、ジョン・エントウィッスルの不在に伴って、彼の楽曲が全く演奏されなくなったことだ。
『Boris The Spider』 『My Wife』 『The Quiet One』といった印象的な楽曲を、セット・リストの一部に見ることが出来れば、さらに素晴らしいコンサートになっていたはずである。


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| Something Else | 19:45 | comments(0) | - | pookmark |
今日からしばらくTHE WHOモードにスイッチします

 11月に入ってから、活動再開やらボックスセット発売やらのキンクスネタで個人的に盛り上がっていたもので、明後日がWHOの武道館だということを、バチ当たりにも失念していました。
それも、当日さえスルーしてしまいそうな勢いで忘れていたもので、いま、青ざめながら色んなサイトでWHO情報集めています。

まず、初日の大阪と昨日の横浜のセットリストが公開されてました。
基本的な曲目は一緒でしたが、初日の『Real Good Looking Boy』が、横浜では『Anyway Anyhow Anywhere』に替わり、アンコール前のエンディング曲『Won't Get Fooled Again』と『My Generation』の曲順が入れ替わっています。
うーん、個人的には『My Generation』はオープニング曲、『Won't Get Fooled Again』はエンディング曲という勝手な思い込みがあるもので、これは横浜バージョンのほうが良かったかな。
アンコールはTOMMYメドレーで、これは両会場とも変更無いようです。

それからドキュメンタリー映画『Amazing Journey』の公式サイトにも行ってみました。
これはサイトの作りがメチャクチャかっこ良くて、このページだけでも必見です。僕はTRAILERだけで鳥肌モノでしたよ。
11月22日より順次公開となってますが、劇場は今のところ大都市に限られるみたい。
でも、来年の3月くらいに日本版のDVD発売決定!と、こちらのサイトさんのNEWSにありましたから観に行けそうにない方もご安心を。

それから以前このブログでも取り上げた『The Kids Are Alright』のDVDが、今なら期間限定の1,980円になってました。
さすがにディレクターズ・カットの完全版じゃないですが、それでもこの価格なら買いでしょう。
これ、自分でも、ずいぶん買うのを渋ってましたが、今度ばかりは買うことにします。

と、ざっと見ただけでも色々な情報があって、更に2chなど覗こうものならコンサート・リポートみたいな書き込みがゾロゾロ出てくるから、読み出したら止まらない!

いや、でも、もうこの辺にしておこうと思います。
なんだか当日を迎える前に、すでにライブを観た気になって、本当に武道館に行き忘れることになりそうだから…。


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| Something Else | 16:21 | comments(0) | - | pookmark |
エリナー・リグビー実在説

 ここのところキンクス関連を立て続けにエントリーしてしまったので、キンクス・ブログとしては少々ネタ切れ気味であります。

デイヴのサイトに、デイヴ本人が再結成について何か書き込みをしていますよ、という情報でも載せようかと思ったのですが、言い回しが難しくて、僕にはちょっと何言ってるのかわからなかった。
多分「レイと僕はお互いに忙しいから、ギターケースを開けるには(再結成には)片付けなければならないことが沢山ある」というようなニュアンスだと思うのですが、いい加減なことを書くわけにもいかないので、どなたか英語の堪能な方、訳してください。


で、代わりに何か無いものかとネタ探しをするうちに、変な記事を見つけました。
「エリナー・リグビーには実在のモデルがいた!」というもの…。

なんでもSunbeams Music Trustというイギリスの慈善団体が、1990年にポール・マッカートニーに子供達のための寄付を求めたところ、寄付金の代わりにリバプールの病院で働く「E・リグビー」の署名が入った1911年の給与明細書が送られてきたのだとか。
なんじゃそりゃ!

今回この団体は、この明細書をオークションに出品するそうなのだけれど、ポールはエリナーの実在を全否定!さあ、どうなる… っていう内容なのですが、まあ、どうでも良いといえばどうでも良い話です。

そりゃあ、リバプールにも「E・リグビー」くらいの名前の人はいるでしょう。
「キムラタクヤ」だってSMAPにもジャイアンツにもいるくらいなんだからさあ、字は違うけど…。

ただ、分からないのは1990年に寄付を求められた際、ポール側が何故こんな明細書を贈りつけてきたのかってこと。
普通に考えて、ポール・マッカートニーの関連団体から「E・リグビー」という署名の入った何らかの書類なりが送られてくれば、そりゃああの「エリナー・リグビー」だと思いますよね。

じゃあ、これって曲のモデルとなったエリナーさんのものなの?
いやしかし、だとしても、この明細書に貴重な価値があるのか、となると話は別でしょう。

「ビートルズのエリナー・リグビーにはモデルがいました。これがその証拠となる給与明細です」って、これ欲しいと思います?
しかもポールはそれを認めてないし…。

でもまあ、世の中には不思議なものを欲しがるマニアもいるわけで、いや、それ絶対に欲しい、絶対にだっ! という方がいらっしゃいましたら、ぜひオークションへの参加をお薦めしときます。


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| Something Else | 19:04 | comments(0) | - | pookmark |
キンクス・ボックス Picture Book の国内盤発売決定!

 キンクスのボックス・セット『Picture Book』の日本盤発売がようやく決定して、色々なショップのネット・ストアでは、早速予約受付が始まっています。
発売日は2009年1月28日と、本国の12月8日から50日くらい遅れての発売になります。

で、気になるお値段ですが、このブログの左のほうに貼り付けてある通り、¥12,000となっております。
まあ、ボックス・セットを買うほどのキンクス好きが、国内にどれほどいるかとか、様々なことを計算した上での価格設定なのでしょう。6枚組だから1枚当たり¥2,000と考えれば、まあ妥当な価格と言えるのかも知れません。
ストーンズの18枚組¥48,000に比べれば、まだまだ可愛いものです。

曲目をざっと見回したところ、収録曲は曲順も含めてUK盤と全く同じ構成のようです。
UK輸入盤なら¥7,200程度とぐっとお徳なのですが、ただ、悩ましいのは付録のほうで、CDジャーナルからの情報では「ボックスには60ページのブックレットも付属。レイ・デイヴィスほかへのインタビュー、バンドの年表、ディスコグラフィー(アルバムおよびシングルスのレア・カバー写真もあり)などが掲載される予定」とあり、もしこれが完全翻訳されるのであれば、国内盤が良いのかな、とも思えるし…。
いや、しかし、それだけで¥5,000の差額はなぁ…。

しかも、どこがどう違うのか分からないのですが、国内盤には「初回生産限定盤」と「通常盤」とがあって、マニア心をくすぐります。
「初回盤」の内容によっては、これ絶対に手に入れなければ、死んでも死にきれないっていうマニアの人とかもいるんじゃないでしょうか?

うーん、どうしよう。
僕はとりあえず、レアな音源が聴ければ良いのかな、という方向に今は傾きつつあるところなのですが…。


【付記】
アップ後に分かったのですが、初回生産限定盤はSHM-CDフォーマットで出荷されるようです。


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| Around The Kinks | 12:05 | comments(5) | - | pookmark |
IMAGINE THERE'S NO HUNGER

 今となっては、ジョンの『IMAGINE』に歌われるような思想を、全面的に支持できるほど楽天的ではないけれど、世界中から飢えと貧困がなくなることを「イマジン」しようという、こんな試みになら賛同したいと思う。

近年は日本でも格差社会とやらで生活の困窮が伝えられるけれども、世界的にみればまだまだ裕福な部類であるに違いない。
オール・アバウトのこのページによると“日本では、年間で約1900万トンもの食品をゴミとして捨てているのです。2,000万トンは発展途上国の 7000万人以上の人々が1年間食べられる量に匹敵するそうです”ということになる。

ハード・ロック・カフェは以前から、このWorld Hunger Yearを支援しているみたいだし、ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーン、ジャクソン・ブラウンなどのミュージシャンにも支援者は多い。
今年はエルビス・コステロが飢餓や貧困の救済に貢献したということで、この団体から栄誉賞をもらっているというニュースもあった。

飢餓や貧困の問題は、飽食の日本にいると、どうしても他人事のように感じられてしまうけど、好きなミュージシャンがそれを支援しているとなると、多少なりとも興味がわいてくるだろう。
こうした取り組みが、広い世代に飢餓や貧困を認識させるひとつの機会になれば良いと思う。

単純な理解であるけれども、貧困が憎しみを生み、対立を生み、テロや戦争を生み出しているのであるならば、『IMAGINE』的世界への近道は、実はテロとの戦いなどではなくて、こうした地道な活動によって拓かれて行くに違いない。


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| Something Else | 19:39 | comments(0) | - | pookmark |
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