CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< October 2011 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
amazon
キボウのカケラ
LinkShare
アフィリエイトならリンクシェア
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
ブライアン・ウィルソン 「In the Key of Disney」

コカ・コーラ、ハリウッド、メジャーリーグ、ジェームス・ディーン、ブロードウェー、マクドナルド、エルヴィス・プレスリー、トム・ソーヤー、スヌーピー…等々、アメリカ文化を象徴するものを思いつくままに挙げていくと、その中に必ず含まれるはずの「ディズニー」と「ビーチ・ボーイズ」。

そのアメリカを代表するふたつのポップ・アイコンがコラボレートしたら、これは一体どんなことになっちゃうんだ!

ということで、あの「SMiLE」と同時に予約していた、ブライアン・ウィルソンによるディズニー・カヴァー集。
昨日それが手元に届いて、それからずっと聴いているわけですが、いやあ、さすがの安定感。これは当分聴き続けることになるな。

なにしろこの秋はビーチ・ボーイズ関連にやられっぱなしで、キンクス日和を名乗りながらこういう記事を書くと、もう面白いようにアクセス数が落ちるので、あまり書きたくはないのだが、それでもこれは書かねばなるまい。

前作の「Reimagines Gershwin」も会心の出来だったけれども、これは素材がブライアンの敬愛するアメリカン・ポップスの先達、ガーシュインの作品ということで、オリジナルの持つ品格をそのまま生かした、非常に大人の雰囲気のアルバムに仕上げられていた。
それに対して、この「In the Key of Disney」はというと、誰もが想像する通り、前作よりもずっとポップ寄りであって、遊び心も満載、お得意のコーラスも大サービス。まさに大人から子供まで、みんなが楽しめるゴキゲン・ミュージックになっている。

このあたり、稚拙な例えで申し訳ないが、「Reimagines Gershwin」がガーシュインとブライアン・ウィルソンとのコラボであるとしたら、この「In the Key of Disney」は、初めに書いたように、ディズニーとビーチ・ボーイズとのコラボになっている、と言ったらイメージが伝わるだろうか?
アルバムのブックレットには、サーフボードを頭に乗せた男が、ミッキー型の夕陽を受けて、海に向かって佇む姿のシルエット写真が載っているのだけれども、ここからも分かるように、やはり今回は「ビーチボーイズ流にアレンジされたディズニー・ミュージック」という構図を、ブライアン本人が十分に意識して制作したのだと思う。

まあ、どう考えてもこのコラボが成功しないはずがないわけで、結果としてこのアルバムは、ディズニー・ファンにも、そしてもちろんビーチ・ボーイズのファンにも、どちらからも好意的に受け入れられるだけの、ワクワクと楽しい出来あがりになっている。
逆に言うと、やや予定調和気味とでもいうか、ブライアンがビーチ・ボーイズのフィルターを通してディズニーしたら、当然こんなアルバムになることは、既におおよその予想がついてしまって、その辺やや物足りない感じがするけれども、それは期待過剰に過ぎるだろうか。

しかし、そんな過剰な期待をはね返すのが、ブライアンの曲の解釈能力というか、曲の魅力を最大限に引き出す力。これは全く衰えを知らないなあ。
こういうのは、やはり他人の作品をアレンジするとまざまざと浮き彫りにされるわけで、例えば、ここでのこの「ハイホー/口笛吹いて働こう」の解釈なんて、やっぱり常人のなせる業じゃないですよ。




それで、本題とは違うけどキンクス日和なので、ここで気になったことをひとつだけ言うと、2曲目の「BARE NECESSITIES」。
改めて聴いたら、このメロディー、キンクスがパクッてる気がするなあ。
アルバム『Misfits』に入ってる「Out Of The Wardrobe」の中で、このメロディー、じみーにちっちゃくいただいてる。恐らく間違いない。

クーッ!レイ先生ってば、またやりやがったかぁ?
いやはや、ディズニーからこそっと抜き出すとは、芸が細かいというか、ある意味いい度胸してますね。

いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
人気ブログランキングへ
↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ


| Heavy Rotation | 19:18 | comments(2) | - | pookmark |
母校に飾られたピート・クウェイフのブルー・プラーク




イギリスには、ふとした街角や建物なんかに、そこにゆかりの人物とその場所との繋がりを示すブルー・プラーク(Blue Plaques)を飾る慣習(というか制度?)がありますね。

いや、僕はあまりこういうことには疎いので、ほとんどが聞きかじりの知ったかぶりで書きますけど、これはもともと1867年に、詩人のバイロンの事績を記念して造られたのが起こりだそうで、その後もシェークスピアとか、ダーウィンとか、チャーチルとか、オスカー・ワイルドとか、ディケンズとか、チャップリンとか、HG.ウェルズとか、日本人では夏目漱石とか、架空の人物ながらシャーロック・ホームズとか、その土地々々に関係した様々な分野の著名人のプレートが、いまではイギリス中に850くらい掲げられているそうなんです。

一応ロック関係にもこの栄に浴した方がいて(ということは、その人は既に亡くなってるってことだけど)、例えばロンドンのモンタギュー・スクエア34番地にはジョン・レノンのプラークが飾られていたり、同じくブルック・ストリート23番地にはジミ・ヘンドリックスのものがあったりと(一年くらい住んでいたらしい)、とにかく色々なプラークがあるわけです。

ただ、このブルー・プラークにも、その設置を公式に管轄する団体が掲出したものと、そうでない団体が掲出したものがあるらしく、現在、正規の運営機関となっているのは「English Heritage」という組織。

しかし、ここの選出条件は結構厳しい。
条件いわく
対象となる人物は死後20年もしくは生後100年が過ぎていることが条件である。なおかつ、その人物が「人類の繁栄と幸福に重要かつ積極的な貢献をした」人物であり、「非凡かつ傑出した個性を持った」人物であり、国民がそう認識するに値する人物でなければならない。(Wikipediaより引用)

で、公式な運営機関とは別に「Heritage Foundation」とか「Transport Trust」、「Nubian Jak Community Trust」といった組織があって、こうした団体も、それぞれの基準でもってプラークを設置しているということのようです。


さてそこで、
今日の本題はここからでして、つまりその「Heritage Foundation」が、去る10月16日に、ピート・クウェイフのブルー・プラークを設置した、というお話。

設置場所はマスウェル・ヒルにあるFortismereという学校であって、昔の名前はWilliam Grimshaw。
ピートやデイヴィス兄弟、それとロッド・スチュワートなんかが出たことで、キンクスファンにはちょっと名の知られた学校ですね。
初めに書いたように、ブルー・プラークは、その人の事績に対して贈られるものではなくて、対象者と土地との関わりを示すもの。
だから、Fortismereは今後、ピート・クウェイフにゆかりの土地として、ピートと共に語られることになるんだと思います。(いずれはレイ&デイヴもそうなるのかな?)

ただここで気になるのは、ご存じのように、ピートが亡くなったのは昨年の6月だったから、死後まだ1年ちょっとしか経っていないという事実。
すると、このHeritage Foundationの選出条件というのは、死後20年以上というEnglish Heritageのそれに比べて、随分と甘いような気がしませんか?
それとも、ピートが公に活躍したのは、もう45年くらい昔の話だから、彼にはその条件が既に備わっているという解釈なのでしょうか?
いや、それはそれで随分と酷な話だよなぁ。

余談ですが、このHeritage Foundationは、これまでにもキース・ムーンとか、ダスティ・スプリングフィールドなんかのプラークを設置していて、他と比べてポップ・カルチャーに理解のある団体みたいです。
(調べたら、この協会の現会長はビージーズのロビン・ギブ。過去にはリック・ウェイクマンとかフィル・コリンズも会長職を務めていました)

さて、一番上の写真の通り、プラークの除幕式にはレイ・デイヴィスとミック・エイヴォリーも参加したそうで、式典後のパーティーではKast Off Kinksのライブなんかもあったとか。
人の心の温かみにあふれた、平穏な秋の日曜日という感じですね。
ピートの魂にもきっと届いたことでしょう。

最後に、レイが彼のfacebookに書きこんだ、このプラークに関するコメントをご紹介しておきます。

「日曜日に、ミックと一緒にピートのプラーク除幕式に出席してきました。それは僕らの通ってた学校、William Grimshaw(今はFortismereって呼ぶそうだけど)に飾られています。あなたが次にマスウェル・ヒルに行くことがあったら見に行ってみてください」

と言うことなので、機会があったらぜひ!
なんだか僕も、ブルー・プラーク巡りの旅がしたくなりました。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
人気ブログランキングへ
↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

| Around The Kinks | 19:12 | comments(2) | - | pookmark |
The Beach Boys 「The SMiLE Sessions」



「Kinks In Mono」のリリース告知に浮かれている間に、世間ではとっくに「SMiLE Sessions」の予約受付が始まっていたんですね。
「Kinks In Mono」は価格面に問題があって、いまだどうしようか態度を決めかねている僕なのですが、これが相手があの「SMiLE」とあってはダメだ、無理だ、考えている暇なんか無い。
2004年に発表されたブライアン・ウィルソン版の「SMiLE」も中々の名盤だったけれども、やはりご本人の声や滑舌に、年齢から来る衰えを感じざるを得なかった。
ここはやはり1966年当時の、ビーチ・ボーイズのあの美しい声で、この音楽を聴きたい!
それで、もう速攻で注文しちゃった。

だって、あの「SMiLE」ですよ。
もう永遠に日の目を見ることがないと思われていた、ロック史上もっとも有名な未発表アルバムが、制作から何と45年の歳月を経て世に出るわけだから…。

(このあたりの話が見えないという方は、ブライアン版の「SMiLE」が出た時に、僕は嬉しさの余りこんなエントリーを載せたことがあるので、良かったら参照してください)


…と言うわけで、ここしばらくは熱に浮かされたようにSMiLE、SMiLEと言っていたんですが、しかし一方では、今回このアルバムがどんなに素晴らしい形で発表されたとしても、昔からのファンは絶対に満足することなんか無いんだろうなあ、という気もしています。

何故かというと、元々の「SMiLE」というのは、ブライアンとして生涯で最も力を入れて制作していたアルバムであったろうと思うのだけれど、それが色々な問題が噴出して頓挫してしまった。ところが、そこに収録される予定だった数曲は、その後のビーチ・ボーイズのアルバムに、断片的に収められて発表されているんですね。
だから、マニアックな人たちは、これまで40年以上、それらの断片やブートなんかを丹念に拾い集めて、これがもし完成していればこうしたアルバムになっていたに違いない、ということを、各自がそれぞれに夢想してきているわけです。

つまり、ビーチ・ボーイズのファンが100人いれば、100通りの「SMiLE」がある。
ところが、その100通りの「SMiLE」が、今回の発売と同時に、1枚に収斂されてしまうことになった。
そしたらやっぱり落胆するファンもいるでしょうね。

それと、もうひとつ言うと、もしもこのアルバムがみんなの意に反して駄作であったとしたらどうなるか。
これは可愛さ余って徹底的に叩かれることは目に見えるし、逆にもの凄い名盤であったとしたら、この場合は「これが66年にリリースされていたら、サージェント・ペッパーに先駆けてロックの歴史を変えていたのにーッ!キーッ!」と、ファンの悔しさを今更ながら倍増させるに違いない。
つまり、どっちに転んでも、誰もが必ず諸手を挙げて大絶賛ということにはならないわけだ。

まあ、そこのところを考えて、今回のアルバムには「SMiLE」ではなくて「The SMiLE Sessions」という名前が付いているんでしょう。
これは、「SMiLE」録音時のセッションを、当初予定されていた形に近づけてリリースはするけれども、決して「SMiLE」そのものではありませんよ、という一種の予防線なんでしょう。


いやしかし、何だかんだ言っても、やっぱりアルバムへの期待は膨らむ一方です。
だって「グッド・ヴァイブレーション」「英雄と悪漢」「サーフズ・アップ」の、この3大神曲が一枚のアルバムに入っているだけでも、もう十分に元は取れるはずなのに、66年当時のブライアンの才気迸る楽曲が、あの美しいハーモニーと共に、まだまだ大量に収録されているんですからね。





アルバムは1枚モノの通常盤、2枚組のデラックス盤、5CD+2LP+2EPに豪華ブックレット、ポスター付という完全限定の超豪華ボックスセット、それからアナログ盤など、数種類のフォーマットで出る予定。

僕は、個人的に一番コストパフォーマンスが良さそうだと感じた、2枚組DXを予約してしまいました。


| Heavy Rotation | 23:38 | comments(2) | - | pookmark |
Kinks In Mono 収録曲情報

9月21日に発売決定の記事だけ書いて、その後ほったらかしにしていた「Kinks In Mono」ですが、いつのまにやら海外サイトには曲目の詳細が出ていましたので、改めてご紹介。

ボックスは全10枚入りで、収録予定曲は以下の通り。

Disc1 - Kinks (1964)
 1. Beautiful Delilah
 2. So Mystifying
 3. Just Cant Go To Sleep
 4. Long Tall Shorty
 5. I Took My Baby Home
 6. Im a Lover Not Fighter
 7. You Really Got Me
 8. Cadillac
 9. Bald Headed Woman
10. Revenge
11. Too Much Monkey Business
12. Ive Been Driving On Bald Mountain
13. Stop Your Sobbing
14. Got Love If You Want It

Disc2 - Kinda Kinks (1965)
 1. Look For Me Baby
 2. Got My Feet On The Ground
 3. Nothin In The World Can Stop Me Worryin Bout That Girl
 4. Naggin Woman
 5. I Wonder Where My Baby Is Tonight
 6. Tired Of Waiting For You
 7. Dancing In The Street
 8. Dont Ever Change
 9. Come On Now
10. So Long
11. You Shouldnt Be Sad
12. Something Better Beginning

Disc3 - The Kink Kontroversy (1965)
 1. Milk Cow Blues
 2. Ring The Bells
 3. Gotta Get The First Plane Home
 4. When I See That Girl Of Mine
 5. I Am Free
 6. Til The End Of The Day
 7. The World Keeps Going Round
 8. Im On An Island
 9. Where Have All The Good Times Gone
10. Its Too Late
11. Whats In Store For Me
12. You Cant Win

Disc4 - Face To Face (1966)
 1. Party Line
 2. Rosie Wont You Please Come Home
 3. Dandy
 4. Too Much On My Mind
 5. Session Man
 6. Rainy Day In June
 7. A House In The Country
 8. Holiday in Waikiki
 9. Most Exclusive Residence For Sale
10. Fancy
11. Little Miss Queen Of Darkness
12. Youre Looking Fine
13. Sunny Afternoon
14. I' ll Remember

Disc5 - Something Else by The Kinks (1967)
 1. David Watts
 2. Death Of A Clown
 3. Two Sisters
 4. No Return
 5. Harry Rag
 6. Tin Soldier Man
 7. Situation Vacant
 8. Love Me Till The Sun Shines
 9. Lazy Old Sun
10. Afternoon Tea
11. Funny Face
12. End Of The Season
13. Waterloo Sunset

Disc6 - The Kinks Are the Village Green Preservation Society (1968)
 1. The Village Green Preservation Society
 2. Do You Remember Walter
 3. Picture Book
 4. Johnny Thunder
 5. Last Of The Steam Powered Trains
 6. Big Sky
 7. Sitting by The Riverside
 8. Animal Farm
 9. Village Green
10. Starstruck
11. Phenomenal Cat
12. All Of My Friends Were There
13. Wicked Annabella
14. Monica
15. People Take Pictures Of Each Other

Disc7 - Arthur (Or The Decline And Fall Of The British Empire) (1969)
 1. Victoria
 2. Yes Sir, No Sir
 3. Some Mothers Son
 4. Drivin
 5. Brainwashed
 6. Australia
 7. Shangri-La
 8. Mr Churchill Says
 9. Shes Bought A Hat Like Princess Marina
10. Young And Innocent Days
11. Nothing To Say
12. Arthur

Disc8 - EPs
Kinksize Session (1964), Kinksize Hits (1964), Kywet Kinks (1965), Dedicated Kinks (1966)
 1. Louie Louie
 2. I Gotta Go Now
 3. Things Are Getting Better
 4. I've Got That Feeling
 5. You Really Got Me
 6. Its Alright
 7. All Day And All Of The Night
 8. I Gotta Move
 9. Wait Til The Summer Comes Along
10. Such A Shame
11. A Well Respected Man
12. Dont You Fret
13. Dedicated Follower Of Fashion
14. Till The End Of The Day
15. See My Friends
16. Set Me Free

Disc9 - The Kinks Mono Kollectables (Vol.1)
 1. Long Tall Sally
 2. You Still Want Me
 3. You Do Something To Me
 4. Beautiful Delilah
 5. Im A Lover Not A Fighter
 6. Bald Headed Woman (US mix)
 7. Evrybodys Gonna Be Happy
 8. Wholl Be The Next In Line
 9. I Need You
10. Never Met A Girl Like You Before
11. Sittin On My Sofa
12. I'm Not Like Everybody Else
13. Dead End Street
14. Big Black Smoke
15. Act Nice And Gentle
16. Autumn Almanac

Disc10 - The Kinks Mono Kollectables (Vol.2)
 1. Afternoon Tea
 2. Susannahs Still Alive
 3. Wonderboy
 4. Polly
 5. Lincoln Country
 6. Theres No Life Without Love
 7. Days
 8. Shes Got Everything
 9. Hold My Hand
10. Creeping Jean
11. Plastic Man
12. King Kong
13. Mindless Child Of Motherhood
14. This Man He Weeps Tonight
15. Australia (Australian single version)
16. Lola
17. Berkeley Mews
18. Apeman
19. Rats
20. Apeman (European single version)


Disc1からDisc7までは、オリジナルアルバムそのものです。
最近の再発CDに付きもののボーナストラックもなく、目新しいセールスポイントがあるわけでもありません。
とにかく全てモノで聴けるという、これが最大の売りのようでして、僕のようなオリジナルアルバム至上主義者には、この潔さが清々しく感じられます。

Disc8は、1964年から66年にイギリスで出たEP4作品を一枚にまとめたもの。
イギリス盤のオリジナルだけを集めていると、アメリカ盤とかEPにのみ収録の曲に取りこぼしが出ますから、そうしたリスナーには嬉しい盤ですね。

Disk9とDisk10は世界各国で出たシングルのコレクション。
ただ、所々でカッコ書きに (US mix)とか (Australian single version)と表記されている以外は、どの曲がどうなっているのか現時点では不明です。
まあ、記載以外はイギリスのオリジナル通りと考えるのが普通でしょうか?

というわけで、全体を通して、全く何の飾りもなく、未発表曲のあるわけでもなく、売りらしいウリといえば、何度も言うように、モノで聴けるということが最大の売りのようなんですが、逆にこれがリリース側の自信の表れのような気もして、こちらとしては、いやが上にも期待度が高まります。

それで、ちなみに価格はamazon.co.ukでは£95.36となっているので、日本円にすると11,420円くらい。円高といってもそんなにバカ安くはならないんですね。
で、これがamazon.co.jpになると12,245円。 (いずれも10月11日現在)
すると、日本のamazonだと送料は無料だし、英語で注文することのリスクやらを考えると、国内ショップを利用したほうが無難のような気もします。

ただ、この辺は発売日までにレートがどれくらい変動するか、これを見極めてから注文しても遅くはないですね。

「Kinks In Mono」の本国発売は11月21日。
日本盤が出るのかどうかはいまだに未定です。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
人気ブログランキングへ
↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ


| Around The Kinks | 19:48 | comments(6) | - | pookmark |
秋の歳時記




 夜が白々と明け染める頃
 露でいっぱいの垣根から 毛虫がノロノロと顔を出す
 これが僕の秋の歳時記
 そよ風が散らす黄色の病葉を せっせと袋に掃き詰める
 そうそう、これが僕の秋の歳時記

 どんよりした金曜の晩
 そんな天気から隠れるように みんなが集まって
 紅茶と、バターを塗ったぶどうパンのトーストを楽しむ
 それでも日差しの弱さを紛らすことなんか出来ないさ
 だって夏は過ぎ去ってしまったんだもの

 ラララ…
 ああ、哀れな背中のリューマチがぶり返す
 そうそう、これが僕の秋の歳時記
 ラララ…
 ああ、これが僕の秋の歳時記
 そうそう、これが秋の歳時記

 土曜日のフットボールと
 日曜のローストビーフが好き
 休日にはブラックプールに行って
 思い切り日光浴したいなあ

 ここが僕の町 離れがたき故郷
 99まで生きたとしても ずっと住み続けていたい
 僕が知り合った人たちはみんな この通りからやって来たから
 僕はここから逃れられない
 町が僕を呼んでいる「家へおいでよ」
 ほら「家へおいでよ」と僕を呼んでるだろ

 ラララ…
 ああ、これが僕の秋の歳時記
 そうそう、これが秋の歳時記
 ラララ…
 ああ、これが僕の秋の歳時記
 そうそう、これが秋の歳時記


7月のエントリーで、キンクスに夏は似合わない。キンクスは秋とか冬のバンドでしょ!
と言ってしまったので、これはそろそろキンクスの「秋歌」特集をせねばならんと思い立ち、早速選曲に取り掛かったのだけれど…


あれ?無い?
意外とキンクスの秋歌って無いの?

いやいや、それ風な曲は有るにはあります。
曲の雰囲気が秋っぽいという程度で良ければ「Too Much On My Mind」とか「Afternoon Tea」とか、秋の夜長の「Full Moon」とか、まあそれなりに探すことは出来る。
しかし、決定的に「もう勘弁してくださいよ!これは秋の歌に間違いないんですってば!」と言い切ってしまえるようなのは意外と無くて、いまのところ僕の頭に浮かぶ曲といえばたったひとつ。
つまりこの「Autumn Almanac」だけであります。

恐らく、キンクスの「秋っぽい」というイメージは、ほぼこの曲によって決定づけられてしまったのではないでしょうか。
これは、それほどまでに印象的な一曲です。


さて、手持ちの『The Kinks The Official Biography』という本を読むと、この曲について、レイがちょっと興味深いことを話しているので訳してみます。

 ― 以下引用 ―

それは、満足に暮らしている小さな庭師についての、とっても前向きな歌なんだ。
彼は仕事をしながら、独りごとを言う。
「冬が来たら、俺は落ち葉を全部掃き集めて袋に詰め込むんだ。それが俺の“秋の歳時記”さ」
僕たちは、そのせむしの庭師をチャーリーと呼んでいた。

曲の中に「哀れなリューマチの背中」という歌詞があるだろう。
僕は背骨に持病があるから、僕を知る人がそれと分かるように、その一節を入れてみたんだ。

 ― 引用おわり ―


つまり、この曲は一見、レイ・デイヴィスの私生活を歌っているようにみえて、実際は庭師のチャーリーという人物を歌った歌だったんですね。だから、それを象徴する意味で、冒頭に生垣や掃き掃除のシーンが描かれているというわけです。

キンクスBOX『ピクチャー・ブック』のライナーに載っているインタビューでも、レイはこのチャーリーからの影響について語っています。
レイによれば、彼はそれまで他人に向けて曲を書いていたけれども、チャーリーが独りごとを言うのを聞いて、これからは自分自身のために、自分の好きなことを曲にしよう、と思い立ったということです。
それで、そうした新しい方向性を見つけて出来たのが、この「Autumn Almanac」と、更には、時を同じくして作られた、アルバム『Something Else By the Kinks』の諸作品。
なるほど「背骨の痛み」に代表されるように、レイの作る歌は、確かにこの辺りからぐっと私小説的な色彩を帯び始めて、キンクスはいよいよキンクスらしくなっていきます。
ということは、実は人知れずこのチャーリーという庭師のおじさんは、キンクスとそのファン達にとって、とてつもない大恩人だったということになります。

しかし、それにしても、この曲の見事なまでの枯れ具合はどうしたことでしょう。
「Mister Pleasant」とのカップリング・シングルとして、最初にリリースされたのが1967年の10月。ということは、あの「You Really Got Me」から約3年。
たった3年でのここまでの老成ぶりというのは、ちょっと尋常じゃないですよね。
やはりアメリカから出禁を食らい、イギリスに閉じ込められたことによる、皮肉な化学反応の結果なのでしょうか。

ちなみに書いておくと、この1967年というのはビートルズが『サージェント・ペッパー』を出した年であって、他のアーティストも多かれ少なかれ、そうしたサイケデリックっぽいサウンドを標榜していた時期でした。
そんな中での“ラララ、これが僕の秋の歳時記”なのであるからして、これはレイ・デイヴィスの変人ぶりというのは、若くして並み外れていたと言うほかありません。

しかし、逆を言えば、そうしたサージェント・ペッパー・シンドロームの楽曲に、今や時代を感じてしまうのに対して、「Autumn Almanac」は不思議なくらい色褪せない。
流行を追うことなく、それどころかむしろ古き良きものを探求し続けたレイの視線というのは、ひょっとしたらこの時すでに、古きものの普遍性をも見抜いていたのかも知れませんね。


ああ、それで、今回もともと何を言いたかったのか忘れるところだった。キンクスの秋歌の話でした。
キンクスの秋歌といって、僕にはどうしても「Autumn Almanac」一曲しか思い浮かばないんだけれども、皆さんはどうでしょう?
どなたかこれは!というのがありましたら、どうかご教授くださいませ。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
人気ブログランキングへ
↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

| Beginner's Guide | 19:20 | comments(8) | - | pookmark |
| 1/1PAGES |