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2011年を振り返る


他にタイトルも浮かばないので、昨年に続き、このようなベタなお題で一年を締めることになりました。

日本人、わけても箱根の山からこっち側に住む日本人にとっては、今年は何とも散々な年になってしまい、本当は振り返るというようなこともしたくはないんだけれども、皮肉にもキンクス一派にとっては、今年は意外に話題の多い一年だったものですから、その辺のおさらいをしてみようと思います。

えー、まず一年を通じた「キンクス」としての一番大きな話題は、パイ期各アルバムのデラックス・エディション発売でしょうか。
僕のブログでも、1月時点で「Kinks」「Kinda Kinks」「The Kink Kontroversy」の3枚が発売になるようだ、というのを取りあげました。
それが2月になると、これにプラス「Face To Face」「Something Else By The Kinks」「Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire」「Muswell Hillbillies」の4作も続々リリース予定ということになって、僕としては、これは今年はキンクス本体も大きく動くかも!というほのかな期待を抱いたりしたものです。

そんな折に、日本では3月に大震災があって、みんな大変な思いをしたわけですが、そのさなかにキンクスがやったのが、ふたつ目の話題「2011年度版リユニオン詐欺事件」。

キンクスのリユニオン話は、毎年持ち上がる恒例行事みたいなものなのですが、今年のこれは、震災前の3月上旬に、レイが発した「デイヴ抜きでキンクスを始める」というひとことが発端となって始まりました。
ま、この辺ちょっとひねりが利いてましたね。いつものリユニオン話じゃあ誰も乗ってこないとか思ったんでしょうか。
それでこの話はその後、3月の下旬の、今度はデイヴからの「レイと一緒に何かやろうと話し合っている」という発言に引き継がれ、4月に入るとまたまたレイからの「来週デイヴと会う」発言へと発展してゆきました。
そうこうする内に、これを取りあげるメディアも幾つか出てきて、こうなってくるとファンとしては、また騙されるのかと思いながらも「今度こそは行けるんじゃね?」という期待を膨らませちゃったんですよね。

ところがその騒動も、結局は5月の末に、レイが「デイヴとバンドやるのは正直キツイ」と発言したことで、全部立ち消えとなってしまうわけです。

いったい何だったんですかね?
まあ、いま冷静になって考えれば、これらのリユニオン騒動って、先に書いたデラックス盤を売りたいためのリップサービスだったんでしょうね。
他人から見たら何回騙されたら気が済むんだって話ですけど…。

ついでながら、デラックスエディションについて因みに書いておくと、当初告知にあった「Lola Versus Powerman & The Moneyground Part 1」と「Muswell Hillbillies」については、年内発売が見送られ、今に至るもリリース見込みは立っていないみたいです。
なので、これが発売に漕ぎつける頃に、またリユニオン詐欺が見れるかもしれません。

さて、今年のキンクスの、というかレイ・デイヴィスのもう一つの大きな話題は、彼がキュレーターを務めた「メルトダウン・フェスティバル」。
これは日本でも一部で話題になっていて、現地に行かれた方の報告を、色んなブログやらTwitterやらで目にしました。
海外では、もちろん相当数のメディアで取り上げられて、おおむね好評を博したみたいですね。
僕のところでもセットリストをフォローしたりしました。


と、前半飛ばしまっくったデイヴィス兄弟ですが、お疲れ休みなのか、7月8月にはキンクス関連の話題は、ほぼ皆無になりました。
8月中頃に、デイヴの「Dave Davies Lost Album」発売情報をちょっと書いた程度です。

それで秋になると、デイヴは例の「スピリチュアル・ウィークエンド」とやらを実施しまして、いよいよ精神世界の住人として地位を確立という感じになりました。
いや、実際、今年に限らずデイヴの話題というのは、音楽関連よりもスピリチュアル関連の方が多いくらいで、これは目にするたびに複雑な気持ちになります。
一方のレイ兄は、11月ひと月でアメリカ中を回る勢いの、結構ハードなツアーを行いまして、インタビューなども精力的にこなし、現役ロッカーとしてパワフルに活動してくれました。
ただ、それはそれで嬉しいと思う半面、何というか、レイが精力的に活動すればするほど、この兄弟の温度差というものが、歴然としてくるように感じたものです。


いま振り返れば、話題豊富な前半に対して、後半やや尻すぼみのような一年でしたけれども、それでも年間を通じて、何がしかのキンクスのニュースに触れることができた。そんな年でしたね、今年は。

あとリユニオンについては、上に書いたような温度差があって、デイヴィス兄弟が再び「キンクス」として活動する日が来るのかどうか、それは全然分かりません。
ただ、キンクス・ブログとしては、来年も疑いのまなざしは向けつつも、ことあるごとに「キンクス再結成するかも!来たかもコレ!」とか騒ぐかも知れませんので、そのあたり今からよろしくお願い申し上げときます。

以上、もの凄くかけ足になってしまいましたが、これで今年の反省会は終わりです。


それでは皆様、今年も、キンクス日和をお訪ねいただきまして、本当にありがとうございました。
皆さんにとって2012年が、実り多い年になることを願っております。

よいお年を!


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| Something Else | 16:58 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
コンク・スタジオの行方
2010年の7月頃に売却の話が出て、今年6月には売却延期が発表されて、と未だに話がまとまらずにファンをヤキモキさせている、コンク・スタジオの今後について。

この話が、また最近になって動き出したみたいで、「Rightmove」というイギリスの不動産情報サイトによると、『コンクの案件は、現在売却リストから消えている』とのこと。
売却リストから消えたのなら話は白紙じゃん?と思うと、これがそうではなくて、ファンの生殺し状態はまだまだ続くのであります。

と言うのも、このRightmoveの物件情報が『コンクは(売却が成立したか交渉中につき)一時的に市場から引っ込められている』みたいな、ファンサイドからすると、ただでさえモヤモヤなものを、より一層モヤモヤモヤにしてしまう、凄く不透明な書き方になっているからだ。

だから、ファンクラブのメッセージボードなんかを見ても
「これはレイがコンクの売却を取りやめたという意味だ」
とか
「俺はレイがコンクを売らない方に賭ける!」
とか、つまりはみんな売って欲しくないんだけれども、この情報をどう捉えて良いのやら、右往左往しているみたいになっている。


そもそもレイが、コンク・スタジオを売却しようと思った理由と言うのは、「新しい環境でアルバムづくりを始めたい」というもの。
だったら売却なんかせずに、コンクはハウス・スタジオとして保有したままで、ちょっと他のスタジオも試してみるとか、いくらでも方法はあるじゃないですか。

まあねえ、普通は67歳になったら、居心地のいい場所で仕事をし過ぎたことを反省するどころか、出来るだけ現状維持に努めたいと願うはず。
だけど、この人は敢えて新しい道に進もうとする。
その精神は敬服に値するものだけれども、その代償がコンクというのも、やっぱりファンにはこれはツライところだなあ。

いずれにしても、コンクの売却問題は未だ決着がつかず。
ファンとしては、これはぜひキンクスの文化遺産として、後世に残してもらいたいと、切に願っているのであるが…


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| Around The Kinks | 19:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
レイ・デイヴィスが学生のための劇を創作
レイ・デイヴィスが学生のために書き下ろした演劇「Child's Play」が、この9月ぐらいからイギリス国内で何度か上演されている様子。
先週末にもそれがJohn Ruskin Schoolの生徒たちによって再演されて、レイ先生もそこに駆けつけましたということで、これがNMEあたりのサイトにも取り上げられていました。
このリンク先で舞台の映像も見れます)

内容としては「過去60年にわたるイギリスの文化的、政治的な生活を辿る」という真面目な作品であるうえ、映像を見てもらえれば分かる通り、言葉のやり取りを主体とした一幕ものであって、日本人には理解するのがちょっとつらいです。
(なんでも、階級の違う3組のカップルが、ダイアナ妃の死から世界的な財政危機までの様々な問題について論じ合うとか…)

劇中歌としてキンクスの'All Day And All Of The Night'とか 'Waterloo Sunset'とか 'Dead End Street'、 'Do It Again'なんかが挿入されてはいるのですが、それがお芝居上どういった意味を持つのかについては、僕には全然見当もつきません。

ただ、いづれにしても、これは学生に演じてもらうことを目的に書かれた作品ですから、一定の評価が成されれば、今後も各地の学校で演じ続けられることになるかも知れません。
そうすると、キンクスの楽曲も、今後はイギリス文化省お墨付きの立派な教材ということになるわけですね。

あら、いやだ。


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| Around The Kinks | 19:39 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
禁断の映像!キンクス・ファンは見るべからず
Stevie Riksというのは、イギリスのものまねタレントであって、普段はビートルズの4人を一人で演じ分けたりしている、日本で言えばコロッケさんみたいなタイプの芸人であるらしい。

この人がキンクスのものまねをしているというニュースが、世界のキンクス情報の宝庫Dave Emlenさんのサイトにあがってたので、早速観に行ったんですが…


いや、観ない方が良いよ。
マジ酷いから。

いわゆるデフォルメされたものまねって、マネされた本人を相当傷つけているだろうなあ、ということは常々思ってたんですね。
それで、今回これを観て初めて分かったんですが、その類のものまねというのは、本人どころかそのファンたちも傷つけるものなのね。

俺、凹んだもん、かなり。
あと、Stevie Riks殴ろうと思ったもん。


それじゃあ、言葉だけじゃ通じないから映像を貼ろうかな。
だけど、キンクスのファンの中でも心臓の弱い人は観ない方が良いよ。



そしたら、トップから見えない下の方に貼っておくね。








本当に見るの?







さあこれだ!















なんか悲しくなりません?
んで、律義にレイの前歯に隙間なんか作りやがって!
あと、ご丁寧にデイヴの声を甲高くしやがって!

クソッ!悔しいからビートルズも貼って笑い物にしてやる!



だけどビートルズの方が完成度高いじゃん。


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| Something Else | 23:15 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Father Christmasがベスト・クリスマスソングにランクイン
アンチ・クリスマスソング・コンピレーションの常連であって、最近も「25 subversive songs for Christmas(破壊的なクリスマスソング・ワースト25)」というランキングに選ばれていたキンクスのFather Christmas。

ところが、ローリングストーン誌が11月に行った、読者が選ぶクリスマスソング・ベスト10(しかもオールタイム・ベスト)という企画では、何と8位にランクインされているというから、どうにも嬉しいやら恥ずかしいやらじゃありませんか。

早速そのベスト10を見てもらうと

 1. John Lennon - Happy Xmas (War Is Over)
 2. The Pogues - Fairytale Of New York
 3. Queen - Thank God Its Christmas
 4. Mariah Carey - All I Want For Christmas Is You
 5. Bruce Springsteen - Santa Claus Is Coming to Town
 6. David Bowie and Bing Crosby - Peace On Earth / Little Drummer Boy
 7. Elvis Presley - Blue Christmas
 8. The Kinks - Father Christmas
 9. Paul McCartney - Wonderful Christmastime
10. Run-DMC - Christmas In Hollis


おお! いづれ劣らぬクリスマスソングの定番ですね。
なんか… 8位以外は…
いや、僕が言うのもナニですけど、なぜにこの中にキンクスなのでしょうか?

まあ、実は過去にもこういうベスト物で、17位くらいになっているのは見たことがあります。
でも、ベストテン入りというのは初の快挙じゃないですかね。
だってこの曲、サワリだけ聴くと、サンタの格好をしたデパートの宣伝マンが、クリスマス前に子供たちにカツアゲされる、という内容だから、「最低のクリスマスソング」に選ばれることはあっても、「最高のクリスマスソング」に選ばれる見込みは、万が一にも無いと思っていたのです。

リリース以来35年くらいを経て、ようやくレイ先生のひねくれた慈愛が評価される日が来ようとは!
(ちなみに、この「ひねくれた慈愛」については、以前に書いた拙文を参照していただけると嬉しいです。)


それで、ちょっと真面目に考えたんですが、これが8位に選ばれるというのは、やっぱりそれだけ今のアメリカの現実が、ここで歌われるみたいに殺伐としたものになって来ちゃっているということなんでしょうか?
不景気とか格差、雇用問題、それらを含めたやり場のない憤りみたいなものがですね。

そうした意味では、2位にランクされているポーグスの「ニューヨークの夢」なんかも、まあこれは元々クリスマスソングとして人気のある曲でしたけれども、若い頃の夢が破れた老夫婦がケンカするという、それでも夢は破れたけれども、愛があったから今までやってこれたんだという、とても現実的でビターな曲ですが、これが2位というのも何となくわかる気がします。

昔から、不況の時は「黒い服が流行る」とか「ロングスカートが流行る」とか言われてますけど、新しいジンクスで「不況の時はキンクスが流行る」とかって…
イヤだよそんなの!





 僕が小さな子供だった頃、僕はサンタを信じてた
 それが僕の父さんだってことも知ってたけどね
 クリスマスになると靴下を吊るしては
 プレゼントを開けて大喜びをしたものさ

 それはこの前、デパートの表に立って
 ファーザー・クリスマスの扮装をしていた時だ
 子供の集団がやってきて、僕に襲いかかったんだ
 僕のトナカイは床に叩きつけられちゃった

 奴らは言った
 サンタのおっさん!金よこせ!
 くだらねえオモチャでごまかすんじゃないぜ
 よこさないって言うんなら、お前をぶちのめしてやる!
 金がほしいんだ、イライラさすな!
 オモチャだったら金持ちのガキ共にくれてやれ

 俺の弟に
 “スティーヴ・オースティン”のコスチュームなんかよこすなよ
 俺の妹にぬいぐるみなんかも要らないぜ
 ジグソーパズルやモノポリーの紙幣も欲しくない
 俺たちが欲しいのは、モノホンの金だけなんだ

 サンタのおっさん!金よこせ!
 イライラさせたらブッ飛ばす
 サンタのおっさん!金よこせ!
 くだらねえオモチャでごまかすんじゃないぜ

 俺の親父には職をくれ
 食い扶持がたんまりと要るんだからな
 マシンガンをくれるっていうなら
 街のガキどもを震え上がらせてやる

 サンタのおっさん!金よこせ!
 くだらねえオモチャに用はねえ
 よこさないって言うんなら、お前をぶちのめしてやる!
 金がほしいんだ、イライラさすな!
 オモチャだったら金持ちのガキ共にくれてやれ

  クリスマスおめでとう!
  楽しいひとときを!
  でも、君がワインを飲み干しているあいだ、
  何も貰えない子供達だっていることも忘れないでいておくれ

 サンタのおっさん!金よこせ!
 くだらねえオモチャに用はねえ
 サンタのおっさん!そいつをよこせ!
 イライラさせたらブッ飛ばす

 サンタのおっさん!金よこせ!
 くだらねえオモチャでごまかすんじゃないぜ
 よこさないって言うんなら、お前をぶちのめしてやる!
 金がほしいんだ、イライラさすな!
 オモチャだったら金持ちのガキ共にくれてやれ


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| Around The Kinks | 21:42 | comments(9) | trackbacks(0) | pookmark |
We all shine on
31年前のその日、僕は学校の帰りに友達と喫茶店に入り、生まれて初めてクランベリー・ジュースというものを飲んだ。
そのことだけは、今でもはっきりと覚えている。
それはたぶん、その後に聞かされたあの事件とそのことが、自分の中でずっと結びついてしまっているからなんだろう。

友達との雑談を終えて家に帰ると、中から弟が飛び出して来て僕にこう言った。
「大変だ! ジョン・レノンが殺された!」

だから、僕にとってジョン・レノンの死は12月9日の日中の出来事。
僕はあれ以来、クランベリーを一切口にしていない。


ジョンの曲の中では、最近は「Instant Karma」が好きだ。
ソロになって最初の頃のジョンの曲は、内省的であったり、厭世的であったりするけれども、この曲の内容はポジティブだ。

ジョンの頭に

 We all shine on
 Like the moon and the stars and the sun

というフレーズがまず浮かんで、その後、残り部分の作曲からレコーディングまでを、24時間以内に終えたと言われているけれども、もしもそれが本当であるならば、言葉や思想を吟味していない分、これが素のままのジョン・レノンであるに違いない。

 僕らはみんな輝いている
 月のように、星のように、太陽のように


ジョンといえば「Imagine」と、今ではまるで彼の代名詞のように語られるけれども、僕はこの歌がそんなに好きではない。
そもそも「Imagine」の歌詞は、僕ら一人ひとりが抱え込むには大きすぎる。

「天国なんて無い、国家なんて無いんだと想像しなさい」と、「Imagine」は僕らに語りかけるが、個人レベルで想像したところで何も起こりはしないことは、恐らく誰もが知っている。

それでも、ジョンはその歌を歌う。


キリスト教は性悪説とよく言われる。
しかしながら、ジョン・レノンは性善説の立場に立つ。
そう解釈しなければ、「Instant Karma」も「Imagine」も成立しない。

人間は生まれながらに「善」であるという類まれな信頼。
ジョンの根底はそれだったのだろう。


まとまらない文章になったが、31年目の12月9日に、そんなことを考えた。




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| Something Else | 12:58 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
短期集中講座「リサイクルを考える」

さて、今回はロック音楽における、いわゆる「ギター・リフ」。
これがその原型からどのように形を変えてリサイクルされてきたのか、その変遷を辿ってみようという試みであります。
 

1960年代からのロック音楽の爆発的な拡散に伴いまして、貴重な資源であります「リフレイン」というものが、徐々に枯渇しつつあると。
このままではロック音楽それ自体が立ち行かなくなってしまう。
そこで、その希少資源に対して、多少の手直しを加えながら再利用していく、
つまりリサイクルしていくということが、非常に重要になってきたわけです。
 

えー、それでは実際の事例を見て参りましょう。
本日の資料として使用するのは、こちらの素材になります。
キンクス兄弟社が1964年に発明して売り出した「All Day and All of the Night」ですね。
 


さて、この素材をリサイクルして商品化したのが、アメリカのドアーズ社です。
1968年発表の有名なリサイクル品ですね。
 


よく出来たギター・リフというものは、様々な業界で再利用されます。
次に検証するこれなどはパンク産業ですけれども、見事にリサイクルされていますね。
 


更に時代が下りまして2008年。アメリカの(株)オフスプリングも再利用しています。
曲の後半部分に主に活用されていますね。
 


オリジナル商品の発表から40年以上を経てもなお、このリフは活用されているんですね。
いかに優秀な発明品だったかという証明になりますね。
 

えー、そんな中、オリジナルの発案者自らも、リサイクルを試みています。
非常に珍しいケースですね。
 


さて、日本に目を転じてみましょう。
さすがに日本人は発想が独特のようで、意外なところに活用していますね。
私などは初めてこれを聴いた時に腰が抜けそうになりましたが、皆さんはいかがでしょうか?
 


私は、最近ではこれなどもリサイクルなんじゃないかと疑っているんですが、どうでしょう?
 


さて、このオリジナルは非常に優れたリフ素材でありまして、実に様々な企業がこれをリサイクルして使用しているのは見てきたとおりです。
一方ここに、このオリジナルに触発されて、類似品を発売した企業があります。
これです。
 


ところが、この類似品もまた優れているということになりまして、今度はこの類似品の方を再利用する企業も現れます。
 


さらにややこしいことに、今度は本家の方がこの類似品をリサイクルするという、極めてまれなケースも出て参りました。
 


どうもこのオリジナル企業の方は、えー、企業というのはキンクス兄弟社ですけれども、リサイクルされたらリサイクルし返すというのが信条のようでありまして、このほかにも他社の製品リサイクルを色々と試みているようであります。
その研究発表はいずれの機会に譲るといたしましょう。
 


以上、見て参りましたように、優れたリフ素材というものは、時代やジャンルを問わず常にリサイクルされ、人々に感動を与え続けるものなのです。
本日のこれは、そのほんの一例にすぎません。
 

ロックの歴史はリサイクルの歴史。
現代に生きるリサイクル職人も、オリジナルを再利用して市場に出すために、今日も様々な工夫を凝らし続けていることでしょう。
 


えっ?
それって単なるパクリじゃないかって?
いいえ違います!リサイクルです!
 


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| Something Else | 19:18 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
Keep Me In Your Heart

最近、久しぶりにウォーレン・ジヴォンの「The Wind」を聴いてみたら、以前聴いていた頃よりも、ずっと心に沁みるようになっていたので驚いた。
これはやっぱり地震やら何やらで、知らず知らずのうちに、精神面に変化が起きているのかも知れないなあ。
それでこうしたアルバムに心を打たれるようになったのかも知れない。

この「The Wind」は、アメリカのシンガー・ソングライター、ウォーレン・ジヴォンの最後の作品。
しかも、あらかじめ最後の作品に、つまり遺作にすることを目的に作られた、ある意味では彼の遺書のようなアルバムです。
ジヴォンはアルバム制作に入る前の2002年9月に、末期の肺がんであることが判明し、余命3ヶ月を宣告されていました。
彼はその3ヶ月という僅かな時間を、最後のアルバム作りに賭けたのです。

ブックレットを開いてまず驚かされるのは、ゲストの豪華な顔ぶれ。
ブルース・スプリングスティーン、ジャクソン・ブラウン、ライ・クーダー、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルッシュ、ティモシー・シュミット、トム・ペティ、マイク・キャンベル、デビッド・リンドレー、ジム・ケルトナー、ジョン・ウェイト、トミー・ショウ、エミルー・ハリス…。
また、クレジットにはないものの、一説にはボブ・ディランもセッションに加わっていたという話もあります。

ただ、その豪華さを喜んでもいられないのは、参加した彼らは、皆ジヴォンとの最後の別れを惜しむためにスタジオに入ったのだ、という背景を感じてしまうからでしょうか。

一方「ロック界のサム・ペキンパー」とあだ名され、戦争や暴力、ショッキングな現実をリアルな歌にしてきた、往年のジヴォンはここでも健在で、歌詞を読めば、目の前に迫った自分自身の死の影に、正面から向かい合っている姿が生々しく伝わってきます。

いや、こう書いていると、これはリスナーに悲しみや同情を強いるような、重苦しい作品なのかと誤解されそうですが、全くそんなことはありません。
確かに、以前の諸作品に比べて、一部の曲での彼の声は弱々しく聞えます。
しかしながら、肉体は疲弊しているにしても、彼の精神はいささかも衰えていない。恐ろしいくらいに前向きであって、待ち受ける悲劇的な前途に対しても、むしろ積極的ですらあります。
ボブ・ディランの「天国の扉」のカヴァーでは、エンディング近くで「扉を開けろ、扉を開けろ!」と、リズミカルに連呼さえしています。

収録曲は、無骨なロックン・ロールから、ウェストコースト風の軽快な曲、アコースティックな弾き語りまで様々ですが、曲中に笑い声があがったり、力強い「Come On!」のような掛け声があったりで、リスナーを陰鬱にさせるようなことはありません。
アルバム制作中のジヴォンは、恐らく「生きる」とか「死ぬ」ということを超越した次元にいたんじゃないのかな、と思います。

さて、そうした様々な楽曲群の中にあって、最大のハイライトと言えるのは、ラストに収録されているこの「Keep Me In Your Heart」でしょう。




 夕闇が迫って 息が切れかけている
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 君の傍を離れたとしても
 それは愛をなくしたからじゃないんだ
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 朝に目覚めて 狂ったような太陽が目に入ったら
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 夜ごと旅立つ「結末」という名の列車みたいのものさ
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 Sha-la-la-la
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 家の中の些細な用事をしながら
 時々は俺を思い出して
 ほほ笑んでくれるかい

 俺はブラウスのボタンみたいに
 君に結びついているのさ
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 俺の手をとり 君の夢の中に連れて行ってくれ
 まるで見えてるみたいに俺に触れてくれ
 冬が来たなら暖炉を燃やし続けておいてくれ
 俺は君のすぐそばにいるよ

 機関手はプレザント・ストリームを目指して北へ向かう
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 車輪は回り続けるけど蒸気は切れかけている
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ

 Sha-la-la-la
 しばらくの間だけでいいから
 君の心に俺をとどめておいてくれ
 Sha-la-la-la
 心にとどめておいてくれ


この曲の歌入れの時点で、ジヴォンは既にスタジオ入りできないほどに衰弱しており、自宅に録音機材を持ち込んで、そこで収録したといわれます。
アルバム最後の曲は、そのまま彼の人生最後の曲になりました。

死期を悟ったアーティストが、音楽人生の最後の最後に訴えた言葉は「俺を忘れないでくれ」。
うーん、こういうのが人間の心情なんでしょうね。
自分がいなくなっても、残った人たちには自分を忘れないでいて欲しい。
やっぱり、人間として一番悲しいのは、自分という存在が忘れられてしまうことなのだというのが、ダイレクトに伝わってきます。

このあたりのことが、今回のエントリー冒頭に書いたこととリンクしてくるのですが、これを聴くと、僕なんかの頭には、今年日本に不幸な出来事があって、そこで沢山の方々が亡くなってという、そういう現実がよぎるわけです。
それで、僕らはそのことを決して忘れてはいけないなという想いですね。
やはり、忘れないでいることが最大の鎮魂になるんじゃないか、とか。
ちょっとしんみりしますが…


さて、それはさておき、余命宣告されていることを公表した後、テレビ出演した際に、司会者から「今の君は、僕の知らない事を知っているのかい?」と問われた時の言葉がまた良いので、最後に紹介しておきます。
ジヴォン曰く
「I savor my time and enjoy every sandwich」
(時間というものを噛みしめながら、サンドウィッチの一口ひとくちを楽しんでいるよ)
この「enjoy every sandwich」は一種の流行語となり、後にスプリングスティーンやディランらが参加した、ジヴォンのトリビュート・アルバムのタイトルにもなっています。

日本盤のライナーによると、「次のジェームズ・ボンドの映画公開が間に合わなかったらがっかりするなあ」と語っていたというウォーレン・ジボンでしたが、結局は映画公開どころか、そのDVD発売にも間に合った、とあります。

しかし、アルバムリリースからおよそ1ヶ月後、余命宣告から一年を経た2003年9月7日、自宅で仮眠をとっていた彼は、そのまま還らぬ人となってしまいました。
享年56歳でした。


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| Heavy Rotation | 19:24 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
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