イギリス・ツアー中だった昨年10月以来、久しぶりとなるレイ先生へのインタビュー記事が、
The London Evening Standardのサイトに掲載されてましたので、一部引用させてもらってご紹介します。
恐らくThe London Evening Standardという媒体の特性なのでしょう、音楽のことよりも、先生のロンドン生活みたいのに主眼が置かれていて、これはこれで珍しいインタビューじゃないかと思います。
■■以下引用■■
住んでいるのは?N2(イースト・フィンチリー)で生まれて、現在はN6(ハイゲイト)に住み続けている。キンクスでツアーしている時に、そこから逃げ出そうと試みたんだが、いつも結局はロンドン北部に戻ってきてしまうんだ。
最近観たお芝居は?ロイヤル・コート劇場(the Royal Court)で「Haunted Child」を観たよ。
いずれ「The Book of Mormon」が上演されたら観に行きたいとも思ってる。とは言え、あれは過大評価され過ぎなんじゃないかと疑ってるけどね。
初めてのデートに最適な場所は?ピカデリーにあるSt James's Churchなんか良いんじゃないかな。僕は最近、ウィリアム・ブレイク協会の授賞式のためにそこに行ったんだ。
それからウォータールー橋だね。まさしくロマンチックそのものだ。
最高の贅沢とは?フォートナム&メイソンか、リッツでお茶を飲み、ウェイトローズ(Waitrose)で買い物をすること。
住んでみたい建物は?小さい劇場に住みたいものだとずっと思ってた。家から出ずにコンサートや芝居が上演できるからね。
コンク・スタジオは多くの点でその望みを叶えていると言えるな。レコーディングやアートギャラリーとして使うし、いずれ簡単な劇だって上演するかも知れない。
好きなパブは?それは誰にも教えないけど、ただGreek Streetにある「The Hideout」は良い雰囲気だね。
市長になったとしたら何がしたい?馬車を復活させたいね。それ以外の交通機関は禁止とか。
一晩中閉じ込められるに値する建物は?ハムステッドにある「The Armoury gym」だね。待たずにトレーニング・マシンを使える。
最もコラボしたい人物は?ウィリアム・ブレイクだ。
彼にはまっとうな感性があり、ロンドン市民でもある。そして僕の知る限り、彼はiPhoneを持っていない。
今のあなたは…僕が今までに会った、偉大なるキャラクターについての思い出の本を書き終えたところだ。それと、次のスタジオ・アルバムのための曲を準備している。
音楽上のヒーローは誰?簡単に言えないくらい沢山いるけど、まずはデイヴィ・グラハム(Davy Graham)だな。偉大なブルース・ギタリスト&シンガーだった人だ。何年か前に亡くなってしまったが。
彼はカムデン・タウンに住んでいて、葬儀は運河のそばのパブで行われた。
最高の食べ物は?ナショナル・シアター(the National Theatre)で「カム・ダンシング・ミュージカル」を演ってる時には、ウォータールーにある「La Barca」によく行った。今まで食べた中では、そこのペンネ・アラビアータが最高だね。
好きなお店は?夜中の2時にミルクを買いに行けるような小さな商店かな。不眠症の人間には他に買い物をする店がないからね。
服を買うのはブリック・レーン。
それからソーホーにあるイタリアン・バーには、エスプレッソを飲みに通ってたけど、今はインスタントを飲んでるよ。
小さなレコード屋、特にマスウェル・ヒルにあるLes Aldrichには頻繁に足を運ぶし、好きなビデオ屋ならArchway Videoということになるな。LoveFilmでレンタルするより買うことの方が多い。
シャワーを浴びながら唄う歌は?聴いてくれる人がいない時には僕は歌わないんだ。
最初に買ったレコードは?最初に買ったのは覚えてないけど、友達から失敬したレコードなら覚えてる。ビル・ドジェット(Bill Doggett)の「Honky Tonk」だ。
以来、僕はずっとブルース漬けさ。
■■引用ここまで■■
各所にロンドンの地名とか、お店の名前が散りばめられて、さながら「レイ・デイヴィスによるロンドン案内」みたいな趣もあります。
インタビュアー側からの要請で、ロンドンに特化した回答を用意していたと思うのですが、そこかしこに先生のサービス精神が感じられて、中々面白い記事になってますね。
店名や何かをネットで検索して、先生のお気に入りの場所を調べるのも、これまた一興かと存じます。
以下、若干の補足をしておきますと…
インタビュー中に、何度か出て来る“ウィリアム・ブレイク”ですが、この人は18〜19世紀にかけて活躍した、イギリスの画家、詩人であって、レイ先生は彼の大ファン。
ご存知の方も多いと思いますが、先生のソロ・アルバム『Kinks Choral Collection』のジャケットには、この人の作品が使用されています。
ハッキリと明言されているわけではありませんが、どうやら先生は「The Blake Society」という協会の会員らしく、昨年11月には、このインタビューにも出て来るSt James's Churchで開催された、ウィリアム・ブレイク・バースデー・コンサートというのに出演もしています。
それから、本の執筆と、次のスタジオ・アルバムにも言及してますけど、この話は去年の7月、アメリカ・ツアーの時のインタビューでも出てましたから、どの程度まで進んでいるのか、実際のところよく分かりません。
本の方はともかく、アルバムについては"曲を準備してる(I'm preparing songs for my next studio album)"という言い方をしているので、ということはこれからレコーディングに入る曲もあるやも知れず、そしたら僕らとしては「今年中に出ればラッキー」くらいに考えていたほうが良いのかも知れませんね。
さてさて、これでも一応、著作権とかに気を使っているつもりなので、上に書いたのは不本意ながらインタビューの全文ではございません。
本当は先生の発言の全てをお伝えしたいのですが、それができないのは残念であります。
なので、以下にその他の受け答えを抄訳で書いておきますので、それをもってボンヤリとでも全文読んだ気になってくださいませ。
■■以下、先生の回答のみ抄訳■■
インタビューで披露できるようなロマンチックな体験はしていない。
子供の頃に見た「Festival of Britain」の光景が、物心ついて初めての記憶。
楽しみたい時には地元のタクシーを呼ぶ。ナビが付いていないので、とんでもない道順で走るのが面白い。
「君は史上最高のソングライターだ!」というのが、タクシー運転手に言われた最高の一言。
ロンドンに戻ったら、まず隣人が裏庭にビルを建てる、その建築許可が下りてないかをチェックする。
…最後の方はなんか、全然テキトーにあしらってる風に見えますが、先生途中で飽きちゃったんでしょうか?
以上、例によってすべて雰囲気翻訳につき、正確な一問一答が知りたい方は、冒頭にリンクしておいた、The London Evening Standardのサイトへどうぞ!
いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★