CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2013 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
amazon
キボウのカケラ
LinkShare
アフィリエイトならリンクシェア
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
エリオット・スミスのキンクスカヴァー
先週くらいから色んなブログやtwitterで話題になっているので、ご存じの方も多いかと思いますが、2003年に亡くなったエリオット・スミスが、生前ライブで演奏してきた様々なアーティストのカヴァー音源を、こちらのサイトがまとめてアップしてくれています。

リンク先に飛んでいただければお分かりのように、ビートルズ、ボブ・ディラン、二ール・ヤングから、ツェッペリン、果てはオアシスに至るまで、取り上げるミュージシャンの幅の広さに、まずは驚かされます。
中にはブルー・オイスター・カルトの「死神」とか、イメージ的にエリオット・スミスとは結びつきにくい曲もやっているけれども、元の楽曲がメロディアスなので違和感はありません。
選曲のセンスがいいんですね。

我らがキンクスからは
「Waterloo Sunset」
「Set Me Free」
「Do It Again」
「Dead End Street」
「Here Comes Flash」
「Big Sky」
と、6曲も取り上げられているんですが、この曲目を見ただけでも、選曲の幅広さ(支離滅裂さ?)加減が、少しは伝わるんじゃなかと思います
特に「Here Comes Flash」あたりですね。

録音状態もバンドの演奏も、必ずしも満足のいくものではないんですが、中では「Waterloo Sunset」が特に素晴らしいと感じました。
煌びやかな街の夕景を眺めながら、待ち合せの恋人たちのあれこれを夢想する、ひきこもり気味の青年には、実はエリオットのような、こういう繊細な声にこそリアリティーがあると思います。

それから「Do It Again」以下の4曲については、2003年8月3日の演奏とクレジットにありますが、エリオットが亡くなったのが同年の10月なので、ひょっとすると、これは彼の最後のステージなのかも知れません。

僕は、キンクスのファンになるような人は、自殺なんかするタマじゃないだろうと勝手に思い込んでいるので、こんな「Do It Again」なんかをノリノリで演奏していた人が、その2ヶ月半後くらいに自ら命を絶ってしまうとは、にわかに信じがたいです。

まあ、それはともかくとして、上に書いたように、録音も演奏も決して良好とは言い難いシロモノではありますが、これはエリオット・スミスの一面を知るには格好の音源集です。
僕は最近、キンクスもそこそこに、毎日エリオット・スミスばかりを聴いております。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★

| Heavy Rotation | 20:16 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Preservation Act1 全曲訳8「Money & Corruption / I Am Your Man」
 俺たちゃあれこれの公約にウンザリだ
 一日中あくせく働いたって金持どもを太らすばかり
 奴らマニフェストとやらを吹き込んでくるけど
 あんなのは全部嘘っぱちで
 あなたの味方ですよってな顔をして
 陰では俺たちを笑ってやがる
 
 金権腐敗が国を破滅させる
 インチキ政治屋が労働者を裏切って
 税金をネコババするんだ
 俺たちゃ羊みたいに飼い慣らされる
 公約なんて聞きたくもない
 どうせ守られやしないんだから
 
 公約、公約
 聞かされるのはマニフェストだけ
 どこかに俺たちの身になって
 引っ張ってくれるリーダーはいないものか
 
 奴らのご機嫌取りはもうたくさんだ
 地べたに這いつくばって
 へいこらしたってシカトされるだけ
 考え無しの羊みたいに
 群れさせられるのはごめんだね
 公約なんて聞きたくもない
 どうせ守られやしないんだから
 
 金権腐敗が国を破滅させる
 インチキ政治屋が労働者を裏切って
 税金をネコババするんだ
 俺たちゃ羊みたいに飼い慣らされる
 公約なんて聞きたくもない
 どうせ守られやしないんだから
 
 立ち上がろうぜ
 女も男も
 金権腐敗で国が滅びるぞ
 どこかに救世主になって
 引っ張ってくれる者はいないか
 どこかに俺たちの身になって
 引っ張ってくれるリーダーはいないか
 労働者よ団結せよ!
 労働者よ団結せよ!
 
  (Mr. Black)
  私は皆さんが自由になる日を夢見ています
  我々は新しい社会に生きるのです
  そこには階級なんてありません
  スラムも貧困もない社会です
  私には新たな社会へのビジョンがあります
  全ての家にはテレビとステレオ
  急速冷凍庫や4チャンネル それに洗濯機も
  さあ労働者諸君!
  団結しようではありませんか!
  
  私こそがあなた方の待ち望んでいた男
  5ヶ年計画を達成します
  兄弟たちよ 私に清き一票を
  私はこの国を守ります
  優良企業を国有化して
  重役たちにも結果を出してもらいます
  責任逃れは許しません
  だから国民の皆さん
  団結しようではありませんか
  
  労働者諸君
  私はあなたと手に手を取って共に働きます
  我々はみな兄弟なのですからね
  私こそがあなた方の待ち望んでいた男
  おお神よ!
  私がこの国をどれだけ愛していることか
  さあ共に集い
  祖国を救おうではありませんか
  
  私は皆さんが自由になる日を夢見ています
  我々は新しい社会に生きるのです
  そこには階級もスラムも貧困もありません
  
  さあ労働者諸君!
  団結しようではありませんか!
  すべての国民よ!
  団結しようではありませんか!


レイ・デイヴィスという人物は“保守的かつ反権力”という、いささか複雑な思想の持ち主であるようです。

『Well Respected Man』とか『Arthur』とか、あるいは『20th Century Man』といった諸作品を見る限り、イギリスの伝統を重んじた、極めて保守的な人物というイメージのレイですが、こと権力に対してだけは、かなり急進的な考えを持っているように見受けられます。

試みに、うちのブログで紹介させてもらった、以前のインタビューを見返してみると、2010年12月には

Q:現実世界の悪者とは…
A:大部分の政治家と権威のある奴

と発言して、その思想を公にしているのをはじめ、2011年11月には、もっと具体的に

Q:あなたの歌の多くは、小市民が巨大な組織や企業に立ち向かうさまを扱っています。今現在も、このいさかいは続いていると思いますか?
A:そうした戦いは数10年にわたって増大していると思う。それがこの3年くらいで、段々と世間に知られるようになってきた。
君が「プリザベーション」を知っているかどうか分からないけど、そこで僕はこの種のことに触れているんだ。
僕がこういう考えを持つようになったのは、僕の生い立ちが影響しているんだと思う。僕が生まれ育った戦後のロンドンでは、ずっと耐乏生活が強いられていた。イギリスは第二次世界大戦の数10年、復興のために非常に苦労した。
時が経っても、イギリスにはアメリカのような楽観的なところがないままだった。だから僕は、この国特有の考え方を持つようになったし、それが歌にも反映されるんだと思う。
「プリザベーション」は指導者の汚職についての物語だ。イギリスではこの夏、暴動が引き起こされたけれども、それは「プリザベーション」そのものだ。恐ろしいことだが、でも人々の抵抗は避けられない。
どちらが正しいとか間違っているとか、それは僕には分からないけど、そこに社会不安があることだけは確かだ。ウォール街あたりでも、何か行動を起こそうという空気が大きなうねりになりつつあると聞く。はっきりとした成果が出るかどうか、僕には分からないけれども。

と語っていて、彼が政治に不信感を持つに至った、その経緯なども明らかにしています。
どうもレイ先生には「政治家は汚職をするもの」であり、「一般市民の敵」とでも考えているような節があります。

さて、今回のこれは、彼のそうした思想が多分に投影された『Preservation』の8曲目。
いきなり“金権腐敗”とか“労働者よ団結せよ”とかいう言葉が飛び出して、アルバムのこれまでの流れからすると、非常に唐突な印象も受けますが、実質的にはこの曲以降が本当の意味での『Preservation』であって、むしろこれ以前の7曲のほうが『Village Green Preservation Society』を引き継いだ、本編前のプロローグということになるのでしょう。

この曲から、Act1〜Act2を通しての重要なキャラクターである、Mr. Blackが登場して、ようやくここから『Preservation』は物語として動き始めることになります。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★

| Preservation全曲訳 | 21:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
War Is Over



 老兵たちがあの戦争を語り合う
 より良い世界を創るために戦ったのだと
 夢を実現するために
 彼らは人生を賭したのだ
 今では彼らを知る者も少なくなってしまったが

 戦争は終わった
 争いは遠い昔のこととなった
 戦争は終わった
 
 戦闘に勝ちはしたが
 そこに見るべきものはあっただろうか
 
 行軍し 共に戦ったのは
 次の世代が自由になり
 より良い世界を築き
 新しい社会を創るためだった
 全ての階級が調和する社会を
 
 戦争は終わった
 全てを水に流そう
 戦争は終わった
 兵士は家路に就く時だ
 
 富める者も 富まざる者も
 希望と栄光のために戦い
 歴史を創ったのだ
 国民の歌声はひとつになる
 勝利に向かって鬨の声が響く
 
 戦争は終わった
 報国の友はもういない
 戦争は終わった
 以前の暮らしに戻る時だ
 
 我々は腕を組み
 心を込めて愛国の歌を歌った
 喜びの涙は悲しみを隠す
 将来に向かって再び会おう
 新たに創られる世界と共に
 “auf weidersein(さようなら)”を言おう

 我々に何をしてくれたのか
 我々に何を証明したのか
 物言わぬ墓の前に立ったとしても
 名もなき兵士は救われることがない
 
 戦争は終わった
 全ての兵士は家路に就く時だ
 戦争は終わった


1989年のアルバム『UK Jive』の中の一曲。
この年にようやく終結が宣言された、フォークランド紛争をイメージした曲と言われていますが、その歌詞は古今の全ての戦争に当てはまるような内容になっています。

どちらかの国が勝ち、どちらかの国が負ける。
そうした表面的な事実とはまた別に、敗戦国はもちろん、戦勝国にさえも、命を落とした名もなき兵士は必ずいます。

つまるところ戦争には、絶対的な勝者など存在しないということです。

いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★

| Something Else | 22:05 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Preservation Act1 全曲訳7「Cricket」


 人生はゲームだという者もおるが
 もしもそうであるとするならば
 私はそのゲームとやらのルールを知りたいものだ
 栄誉においても また品格的にも
 そしてまた英国的であるという面においても
 私が最も素晴らしいと思う競技は昔ながらのクリケットである

 さて 神はその昔十戒をお示しになり
 人生の決まりごとを定められたわけだが
 クリケットにも同じく十のルールが存在する
 思いやりと自制心を見せ すべてにおいて正直を旨として
 バットとボールを持って神の御前に集いたまえ

 ところで悪魔は 抜け目なく 無礼で そして邪悪な
 “魔球投手”と呼ばれる選手を擁する
 彼は罪深きサタンから使わされ 諸君のウィケットを落とそうとする
 さすれば諸君は気付くであろう
 それは公明正大とは言えないということを

 彼はカーブやレッグブレーク オフスピンを使い
 諸君を惑わしてくるであろうが
 君らは冷静さを保って悪魔を跳ね返すがよい
 聖書を手引きとして 正直に生きよ
 さすればうまく行く うまく行くであろう

 諸君の生が続く限り
 絶えず彼はアウトを取りにやってくる
 “魔球投手”に気をつけよ
 彼は狡猾で欺瞞的
 反則を仕掛けて無得点に持ち込もうとする

 神が諸君の側にいることを忘れることなかれ
 老いたサタンを視界から消し去り
 正直な道を歩むのだ
 さすればうまく行く うまく行くであろう


この曲について、僕は全く分かりません。

僕はクリケットについての知識なんか、これっぽっちも持ち合わせていないのです。
加えて、この曲を歌っているのが「The Vicar」ということで、日本語に訳すと“教区主管者代理”というんでしょうか? これまた日本では馴染みの薄い言葉であって、当然この職位がどういうものかも知りません。

それでも一応訳すにあたり、いくつものサイトを周って、このゲームについて調べましたけど、さっぱりイメージが湧きませんでした。

バットとボールを使って、2チームが点を取り合う競技だから、それじゃあ野球と一緒かと思うと、これが全然別物なんですね。
にわか知識で、もの凄く単純に言うと、まずボウラー(bowler)と呼ばれる投手が、ボールでもって相手方に立てられたウィケット(wicket)という棒を倒そうとする。で、それをバッツマン(batsman)が打ち返して、ウィケットが倒れるのを防ぎつつゲームは進むわけなんですが、点数の入り方とかアウトの取り方に、色々と複雑なルールがあって、いまこうして書いているだけでも頭の中が混乱してきます。

ただ、歌詞全体を読む限りでは、用語やルールなんか知らなくても、特に支障はなさそうなので、ここは深入りせずに話しを進めます。

クリケットというのは、ご存じのように、イギリスでは大変に伝統的なスポーツなわけで、特に上流階級に愛好者が多い。
何しろ、例えば1イニングに10個のアウトを取らないとチェンジにならなかったり、試合時間はランチやお茶をはさみながら6時間くらいかかったり、本来は1ゲームに5日間をかけるものであったりと、非常に優雅と言うか、まだるっこしいというか、そこかしこに貴族の暇つぶし的なニュアンスが漂います。

よく言われるように、イギリスでは上流階級はクリケット、中流階級はラグビー、そして労働者階級がサッカーと、その階級に応じてたしなむスポーツが異なるそうで、言われてみれば労働者階級出身のレイ先生なんかは、熱心なサッカーファンですもんね。

まあ、それはともかくとして、キリスト教の偉い人が出てきて、そうした上流階級のスポーツになぞらえて人生訓を歌う。
この曲はそのような、言ってみれば前近代的なシチュエーションが、後にフラッシュによって破壊される以前の、良くも悪くも“古き良き”ヴィレッジ・グリーンの雰囲気を漂わせるという、単純にそういう目的の歌であるのかも知れません。

だから『Preservation』のストーリーの中に、この「クリケット」がどうしても必要かと問われれば、必ずしもそうとは言いきれない。
それを裏付けるように、『Act2』までを制作し終えた後に展開された、1974年のミュージカル版『Preservation』ツアーでは、この曲はプレイリストから外されていたようです。

そうして考えると、ストーリー上あってもなくても支障がないようなこの曲が、アルバムにはなぜ挿入されているのかという疑問がわくのですが、これについては、1993年の6月に出た日本盤の解説の中で、翻訳の大島豊さんという方が、次のような指摘をしているのでご紹介しておきます。

すなわち、この曲は「Where Are They Now?」「One Of The Survivors」の流れを受けた、3曲目の“しりとり”歌なのだと。

これはどういうことかというと、まず「Where Are They Now?」の歌詞に出て来る“ブルー・スェード・シューズ”という言葉。
この“ブルー・スェード・シューズ”は、そのまま次の「One Of The Survivors」にも登場します。
そして今度は「One Of The Survivors」に出て来る“オー・ボーイ”という曲。
これを歌っているのが“バディ・ホリー”。
バディ・ホリーといえば、彼のバンドは“クリケッツ”。

だからレイ・デイヴィスは、どうしてもここに“クリケット”が登場する歌を入れたかった、というわけです。
一種の連想ゲームですね。

僕は、これが昔から言われている定説なのか、それとも大島さんの発見なのかは知りませんが、けだし卓見であると思っています。
仮にこれが真相だとするならば、ここではこの“クリケット”という単語だけが重要であって、そのルールなどは全く関係ないということになりますね。

やれやれ、僕はこの曲を訳しながら、実を言うと結構な手間ひまをかけて、クリケットについてあれやこれやを調べたのだけれども、それは全部無駄な作業だったのかも知れません。


いつもありがとうございます!
↓ 励ましの1日1クリック ↓ ★お願いします★
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

↓ 出来ましたらこちらのほうも↓ ★お願いします★

| Preservation全曲訳 | 20:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
| 1/1PAGES |